知的財産ニュース 特許庁、「IP Business契約書ガイドブック」を発刊

2018年1月25日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は、韓国企業と海外パートナー間の技術交渉における考慮すべき知的財産権契約内容を盛り込んだ「IP Business契約書ガイドブック」を発刊すると発表した。

IP-Business契約書ガイドブックは、共同研究、技術の移転や導入に関する秘密保持契約、共同研究開発契約、ライセンス契約など、企業でよく使われる10種の契約に対する英文標準契約書を提供し、契約書に使われた用語の意味および条項の内容に関する解説、契約書作成時に考慮すべき事項をチェックリストにまとめた。

また、契約書式には契約担当者が状況に応じて使用可能なオプション条項(*)を含めることで、さまざまな場合に備えることができるようにし、紛争が起こり得る条項とこれに関連する米国の判例を紹介するなど、企業における契約の実務指針書として活用できるように作った。
*例)IP保証契約書には供給者に有利な条項と購買者に有利な条項を盛り込み、契約担当者が必要に応じて選択できる。

最近、企業と海外との協力が活発(*)になり、海外パートナーと知的財産権の契約を結ぶことが増えている。しかし、中小・ベンチャー企業の多くには、英文契約に関する専門知識を持つ人材がいない上、契約時の参考資料も不足しているのが現状である。
*韓国の中小・中堅企業における知的財産権の貿易取引量(億ドル):(2013)2.94→(2016)4.25
(出所:韓国銀行経済統計システム)

そのため、海外パートナーが示した英文契約書をそのまま受け入れ、過度な義務を負うことになったり、英文契約書の内容の意味を正しく理解できなくなったりするなど、紛争のリスクにさらされるケースが多発している。

特許庁産業財産保護協力局の局長は「すべてのビジネスは契約書に始まり、契約書に終わると言っても過言ではないほど重要なもので、不明確、または不利な条項はないか慎重を期する必要がある」と呼びかけ、「このガイドブックが中小・ベンチャー企業と海外パートナー間における不公正な契約を防止し、技術保護および輸出能力の強化につながることを期待している」と明らかにした。

IP-Business契約書ガイドブックは、国際知的財産権紛争情報のポータルホームページ(IP-NAVI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでダウンロードできる。これとは別途で、特許庁は2016年に営業秘密に関する秘密保持契約書、技術移転契約を作成しており、これは営業秘密保護センターのホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでダウンロードできる。

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