知的財産ニュース ベトナムでの特許取得が早くなり、K‐ブランドの保護が強まる

2018年1月17日
出所: 韓国特許庁

ベトナムにおける韓国企業の特許取得手続きが便利になり、K‐ブランドに対する保護は強化されるなど、ベトナム現地での知的財産権保護を取り巻く環境が改善される見通しである。

韓国特許庁長は1月16日、ベトナムのハノイでベトナム特許庁長、科学技術部次官、産業貿易部次官、市場管理局長などと会談を行い、韓国とベトナムの知財権分野における協力をさらに強化することで合意した。

まず、特許分野では、韓国とベトナム間で特許審査ハイウェイ(PPH)を実施することで合意した。この制度が施行されると、韓国特許庁で「特許可能」と評価を受けた出願に対し、ベトナム特許庁が韓国の審査結果を活用して迅速に処理するようになり、韓国企業の特許をベトナムでも早く登録できるようになる。

「新南方政策」の一環として特許庁が進めている「韓国とASEANにおける知財権協力体系」を年内に発足させるためにベトナム側が協力することや、ベトナムの特許行政情報化システムの改善事業について韓国特許庁が支援することでも合意した。

知財権保護の強化に関する合意もあった。まず、「韓国ベトナムIP保護協議会」をスタートさせる。これで、「市場管理局」、「税関」、「公安」など、ベトナムで知財権を執行する機関や取り締まる機関と、韓国の特許庁、IP-Desk(KOTRA)など、韓国の知財権関連機関が定期的に意見交換できる制度が設けられたといえる。中国の「関係」と同様の文化を持つベトナムでK‐ブランド侵害など、韓国企業が抱える問題点を執行当局に伝えることができる良い窓口となる見込みである。

さらに、ベトナムで知財権を執行する公務員向け研修、合同セミナーなどを通じ、韓国で知財権を執行するノウハウを伝授し、知財権保護や執行に関する情報交流も強化していくことで合意した。

特許庁長は「ベトナムは、韓国企業の海外投資が中国に次いで世界で二番目に多い国であるため、その分、K‐知財権の保護に対するニーズも高い」とし、「今回の会談で得た成果により、現地で韓国企業の権利確保がより簡単になり、確保した権利はもっと強く保護される基盤になるだろう」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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