知的財産ニュース 特許庁、大学・公共研の「強い特許」創出を支援する

2018年1月16日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は、大学・公共研が開発した技術が、お金になる「強い特許」として確保できるように2018年政府R&D優秀な特許創出支援事業の推進計画を確定し施行すると発表した。

政府R&D優秀な特許創出支援事業とは、特許戦略の専門家と特許分析機関からなる支援専門チームが大学・公共研が行う研究開発課題に係る特許を分析し、優秀な特許を創出するための1)特許中心の総合R&D戦略策定、2)強い特許設計を支援する事業である。

この5年間(2012~2016)の事業支援の成果を分析した結果、支援を受けた場合は、支援を受けていない課題に比べて技術移転が発生した課題の割合が46%高く、技術移転の技術料も3.7倍となり、この事業により創出された特許の産業界における活用価値が高いことが明らかになった。

今年は計63.6億ウォンを投入し、162の課題を支援する。

まず、特許中心の総合R&D戦略を策定する「特許戦略(IP R&D)支援事業」は、主に研究開発の初中期の段階にある78の課題(事業費総額46.8億ウォン)を支援する。この事業では、技術的問題に対するさまざまな解決策が盛り込まれており、技術変化の方向を簡単に把握できる有効な資料である先行特許情報を分析することで、革新技術を導き出せる研究方向に関するアイデアを提供し、従来の特許が先取りしていない空白領域に対する核心・源泉特許を取得可能にする。また、海外特許障壁に対する対応戦略も提供する。

次に、強い特許としての完成を支援する「特許設計支援事業」は、主に研究開発が完了した84の課題(事業費総額16.8億ウォン)を支援する。これまでは研究成果物が優秀であっても特許を作成する過程で強い特許として完成するための工夫が不十分であるため、肝心の技術模倣や特許紛争が発生した場合、保有特許が機能しなかった。そのため、権利範囲が広くも狭くもない最適な国内外の特許明細書作成を支援し、強い特許権を確保できるよう後押しする。

特に、今年は第4次産業革命の核心分野に対する支援と共に、中小・中堅企業のニーズに基づく課題支援(企業注文型IP R&D)を拡大し推進する予定であるため、これを通じて大学・公共研の知能情報社会への対応力を高め、創出特許の活用可能性を最大化できると見込まれる。

特許庁産業財産政策局の局長は「国の研究開発の成果が今後、事業化過程で特許紛争に巻き込まれないような、強い特許になるためには特許分析を綿密に行い、研究を戦略的に行うのが重要だ」とし、「大学・公共研の開発技術から革新成長を支えることができる核心・源泉特許が多く創出できるように支援していきたい」と述べた。

事業への参加をご希望の企業・機関は、特許庁のホーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよび韓国特許戦略開発院のホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで詳細について確認できる。

事業参加申請に関するお問い合わせ:韓国特許戦略開発院の政府協力チーム(02-3475-1301、1305)

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
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