知的財産ニュース 特許庁、海外進出企業の知財権保護に183億ウォン投入

2017年1月17日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、海外進出した中小・中堅企業の知的財産権の保護に向け2017年183億ウォンの予算を投入すると発表した。

特許庁は、全世界12カ所に設置された海外知的財産センター(IP-DESK)を通じて知的財産権の相談や商標出願費用・知財権の税関登録費用の支援、現地侵害調査の支援を行い、中国・アセアンなど、韓流人気地域におけるK-ブランドの無断使用やオンライン上の模倣品流通へ対応する一方で、輸出企業の知財権紛争の対応能力強化に向けたコンサルティング、訴訟保険などの事業を支援している。

2016年にはIP-DESKの知財権相談が6,833件、商標出願支援が1,111件などと、海外現地における支援が活発に行われた他、紛争コンサルティングは前年比40%増の487社を、訴訟保険は前年比48%増の220社を支援した。

2017年にはまず、K-ブランドの保護、韓流コンテンツIPの事業化に重点を置く計画だ。 特に、韓流ドラマの大ヒットで海外の著作権収益は大幅に増加したものの、商標権やデザイン権など産業財産権の保護に対する認識不足及びこれを活用した付加収益の創出が不十分な状況を改善するために、放送局のドラマやバラエティなど、韓流コンテンツのIPについて企画段階から事業化を念頭に置いた保護戦略の構築を本格的に支援する。

第二に、中小・中堅企業の知財権分野の海外インフラとしての役割を担っているIP-DESKの中で、専門人材がいない中国(3ヵ所)、ベトナム、ドイツに弁理士、弁護士などを採用して品質の高い法律サービスを提供する。

第三に、悪意的な商標無断登録による被害を減らすために、現地の出願段階から現地人の無断使用・登録行為を早期に摘発できるシステムを新たに構築し、韓国企業の早期対応を支援する。

第四に、企業の要望を反映して多年度保障が可能な中長期訴訟保険商品の開発を進め、紛争の長期化を考慮した多年度コンサルティングや品質管理に向けたPM(Project Manager)制度の導入などを通じてコンサルティング支援事業の全般的な管理体制を改善する計画だ。
一方、韓国生産性本部の調査によると、2016年コンサルティング支援を通じた紛争対応のコスト削減や被害防止などによる経済的効果は約888億ウォンで、政府支援予算90億ウォンの約10倍に達しており、今後も引き続き予算の拡大を推進していく計画だ。

特許庁のパク・ソンジュン産業財産保護協力局長は「このような支援事業を通じて韓国企業が海外で権利を確保し紛争で勝利することを期待する。外交部や関税庁など政府関係機関と韓国知識財産保護院、KOTRAなど、知財権保護専門機関と積極的に協力して韓国企業の海外進出を積極的に支援していきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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