知的財産ニュース アラブ首長国連邦、韓国特許庁を背負い特許の先進化に拍車をかける

2017年4月26日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁はアラブ首長国連邦(UAE)の特許出願に対する審査をさらに3年間行うと発表した。特許庁は2014年からUAEに韓国審査官を派遣し、韓国特許庁の特許審査行政輸出事業を進めてきたが、その成果が追い風となり、後続契約の締結に至った。

特許庁長とUAEの経済部次官は4月26日午前11時に特許庁のソウル事務所で会談し、現地で特許審査を進めてきた成果について議論し、審査官の第2次派遣のための契約書に署名した。特許庁は2014年2月にUAEの経済部と特許審査代行のための知財権に協力する了解覚書を締結した。同年6月から特許審査官5人を現地に派遣し、UAEに申請された特許出願を審査している。また特許出願の一部は韓国特許庁に移管されて審査処理が行われている。

2016年2月には韓国型特許情報システムにおける初の海外輸出事例である450万ドル規模の特許情報システム構築事業の契約をUAE政府と締結し、1年間の開発期間を経て実際に2月から国民向けサービスを提供している。

一方で、双方の代表は、今後UAEの特許審査組織の設立や、法・制度の改善、審査人材の養成など、UAEにおける総合的な知財権戦略の樹立に向けた総合コンサルティングを、韓国が提供することについても意見を交わし、今年中のコンサルティング開始をめどに、コンサルティングの範囲、必要な予算など実務議論を早急に締めくくることで合意した。

UAE政府は、UAEを2021年までに中東地域における知財権中心地として浮上させるために最高レベルの特許専門機関の設立を進めており、知財権分野で緊密な協力関係を維持してきた韓国と、特許審査組織の設立など、知財権をめぐるインフラ改善に向けた相互協力を主な内容とする了解覚書を昨年10月に締結した。

特許庁長は「UAE政府が特許審査の延長を要請したのは、韓国特許庁の特許行政サービスの品質水準が国際的に再確認できたことだ」とし「韓国特許庁はポストオイル時代に備えるUAEの革新に役立つ戦略的なパートナーになる」と意気込んでいた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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