知的財産ニュース 特許法院、知財権関連訴訟懇談会を開催

2017年1月13日
出所: 韓国法院

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特許法院は2017年1月9日、特許法院の裁判官及びソウル中央・大田・大邱・釜山・光州地方裁判所の知的財産権担当の1、2審裁判部の裁判官、裁判研究員43人が参加した中、特許権など知的財産権に関する訴訟第1、2審の懇談会を開催した。

イ・デギョン特許法院長は「知的財産権に関する訴訟の管轄集中は、知財権紛争解決の専門性を高めることで内部的に健全な市場秩序を守り経済に活力を与え、外部的には激化しつつある知財権紛争とグローバル市場競争に対応できる力を高めたいという社会構成員の要望を反映したものだ」とし、「1、2審裁判所の裁判官の意見と経験の共有を通じて、韓国知的財産権裁判における充実した審理と質の向上が実現できることを期待する」と述べた。

特許権など知的財産権に関する訴訟の管轄を集中する改正民事訴訟法、法院組織法の施行1年を迎え開催された同懇談会では、1審を担当する5つの地方裁判所の裁判官と2審を担当する特許法院の裁判官が初めて一堂に会し、特許権など知的財産権に関する訴訟の審理方式や特許法に新たに導入された資料提出命令制度の実務運営、技術補助人材と専門家の活用方法、侵害訴訟の紛争解決機能強化に向けた合理的運営方法などについて意見を交わした。

写真:会の様子

同懇談会に出席した裁判官らは、侵害訴訟の紛争解決機能を強化するためには1審における十分な審理が必要で、手続き遅延防止と管轄集中の趣旨を考慮して無効審判審決を待たずに侵害訴訟を進める方が望ましいということに同意しだ。また、1審裁判所の専門性強化に向け、1審手続きに関する審理マニュアルを制定・公表し、技術補助人材と専門家証人、鑑定などの手続きを積極的に活用する必要があり、新たに導入された資料提出命令制度がうまく定着できるよう、積極的な案内やガイドをする必要があるとの意見が出た。さらに、被告が移送申請をする場合、重複管轄となるソウル中央地方裁判所への裁量移送を認めるべきだとの意見もあった。

特許法院は今後も1、2審裁判所間の懇談会の開催や研究資料・実務事例の共有などを通じて特許権など知的財産権に関する専門性の強化に向けて努力するとの方針を示した。

写真:出席者集合写真

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