知的財産ニュース 2017年第1回、部処の垣根を越えた公共技術移転ロードショーを開催

2017年5月11日
出所: 韓国特許庁

産業通商資源部、国土交通部、中小企業庁、特許庁は5月12日、ソウル端草区にあるザ・ケイホテルで「第1回、部処の垣根を越えた公共技術移転ロードショー(以下、ロードショー)」を開催する。 

このロードショーには特許庁次長、中小企業庁生産技術局長などの政府関係者や大学・研究機関の研究者、中小・中堅企業の代表など約200人が出席する見通しだ。

政府はロードショーを通じ、公共研究機関が政府のR&D予算で開発した新技術が死蔵される問題を解消し、第4次産業革命時代を迎え、中小・中堅企業が技術革新および新成長エンジンを発掘できるような新技術による事業化モデルの拡大を目指す。

産業部・国土部・中企庁・特許庁の4つの部処は、技術の発掘から移転・事業化までの全周期を支援する仕組みをつくり、優秀な公共技術が中小・中堅企業の成長のための踏み台になれるよう協力する。

昨年は2回にわたってロードショーを開催し、優秀な公共技術2,031件を発掘し、計191の企業とマッチングを行った。また、93件の技術移転意向書が締結された。そのうち、10の中小企業は産業部の商用化R&D資金(計33億7,000万ウォン)の支援を受け、事業化に拍車をかけている。

ブガンテク社は公共技術の移転を受けて事業化に成功した。同社は環境企業で韓国機械研究院(KIMM)から「産業廃水を浄化するための水処理装置」技術の移転を受けた。その上、産業部の後続R&D支援で韓国における廃水処理企業の先頭に立った。また、韓国国内市場にとどまらず、米国やベトナムに現地法人を設立し、アジア、北米、中南米市場に進出している。

A2U情報通信社は無線通信チップを開発する専門メーカーで、韓国電子通信研究院(ETRI)から長距離無線通信技術の移転を受け、モノのインターネット用の低電力長距離通信チップセットを開発・発売した。今後、この製品はスマートホームサービスや無線遠隔検針、火災監視など、さまざまなモノのインタネットサービスに活用される見通しだ。

今回のロードショーで公共研究機関から計462件の優秀技術を発掘して企業に提供した結果、26の企業が29件の技術に関し移転相談を申し込んだ。

技術移転の相談以外にも公共技術の移転を受けた企業の成功例の発表をはじめ、政府部処による後続商用化に向けた支援事業の紹介、企業・公共研・技術仲介者・投資家間の技術交流会、投資誘致に関する説明会など、さまざまなプログラムを提供する。

政府はロードショー以降、公共技術の移転を受けた中小企業に産業部・国土部・特許庁が所管する後続商用化に向けた支援事業を連携する。また、今年は韓国産業団地公団による「生産技術事業化・技術移転活性化事業」も追加し、商用化に向けた連携支援を強化する。

政府は、優秀な公共技術が中小・中堅企業へと円滑に移転できるように「公共技術移転ロードショー」を部処の垣根を越えた共同の技術マーケティングのプラットフォームに育成する予定だ。

政府関係者は「優秀な公共技術が中小・中堅企業の技術革新を加速させ、韓国企業が第4次産業革命に積極的に対応し、これにより国家競争力の強化に貢献できるように関係部処および関係機関間の協力をさらに拡大していく」と強調した。

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