知的財産ニュース GDPと人口比、韓国の特許出願件数は世界1位

2017年12月26日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は、世界知的所有権機関(WIPO)が発刊(12月6日)した「世界知的財産指標(World Intellectual Property Indicator)2017」によると、GDPおよび人口比特許出願件数で韓国が2016年にも1位となったと発表した。

「世界知的財産指標2017」はWIPO加盟国の特許、商標、デザインなど、知的財産権に関する2016年の各種統計数値と変化推移を盛り込んだ統計報告書である。

この報告書によると、2016年の世界特許出願件数は初めて300万件を超えた312.8万件と、2015年の288.9万件に比べて8.3%増加した。

国別では中国が1位(134万件)となっており、米国(60.6万件)、日本(31.8万件)、韓国(20.9万件)の順であることが分かった。しかし、GDPと人口比出願件数では米国・日本・ドイツなど主要先進国を遥かに上回る1位となっており、韓国が特許出願における強国であることが明らかになった。

注目すべきは、報告書に各国の特許審査動向および年度別変化推移に関する分析資料を盛り込んだことである。

韓国では、最近10年間の特許出願件数が審査官数より速いスピードで増え、特許審査官1人当たりの審査待機件数も増え続ける一方、審査処理期間は過去に比べてむしろ縮まり、同期間、特許審査官の業務量は増えたと考えられる。

特に、特許審査官1人当たりの特許出願件数は米国、欧州、日本などの主要国より突出して多い上、その格差も広がっているため、特許審査の品質を高めるためには特許庁で審査官増員などの対策を講じる必要があるだろう。

商標出願件数では中国が圧倒的な1位(369.8万件)となり、韓国は2015年に比べ、レベルが低い8位(23.2万件)となっている。デザイン出願件数では、中国(65.0万件)、欧州連合知的財産庁(EUIPO、10.5万件)に次いで韓国が3位(6.9万件)となっている。しかし、GDPと人口比では商標は3位、デザインは1位となり、2つの分野でも出願強国であることが明らかになった。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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