知的財産ニュース LGディスプレイ、「パネル振動型音響発生表示装置」で特許技術賞である世宗大王賞を受賞

2017年12月21日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は12月21日(木曜)、韓国知識財産センター(ソウル市江南区駅三洞)で2017年下期の特許技術賞の授賞式を行った。授賞式ではLGディスプレイのチームが発明した「パネル振動型音響発生表示装置」が栄誉の世宗大王賞を授賞した。

この発明は、スピーカーの代わりに画面を振動させ、音響を発生させることで、画面の下部や側面ではなく、全面から音が伝達され、より立体感のあるオーディオ環境をユーザーに提供する。また、スピーカーを別途で設置する必要がないため、空間活用が有利になる効果がある。

忠武公賞には韓国電子通信研究院の研究員などが発明した「自動通訳システム」が選定された。このシステムは、耳の中の音声やユーザーの動きなどを利用して騒音を消した正確な通訳を提供する。キーボードやタッチなど別の操作は不要であり、2018平昌冬季オリンピックで試験的に適用される予定である。

池錫永賞には基礎科学研究院の団長などが発明(*)した遺伝子編集用遺伝子ハサミに関する発明が選定された。これまで微生物のみに適用された技術を人および動植物に適用したもので、今後の遺伝子治療に革新的な変化を引き起こす有望な技術である。
*発明の名称:「標的DNAに特異的なガイドRNAおよびCasタンパク質を暗号化する核酸又はCasタンパク質を含む、標的DNAを切断するための組成物およびその用途」

池錫永賞に選定されたもう一点は、京畿道城南市所属の主務官が発明(*)した下水処理装置である。これは、水面で空気の塊がはじける力を利用して1次沈殿池の浮遊物を除去する発明である。この方式は、従来の方式に比べて下水処理の効率が良い上、悪臭発生を防止するため、市民の利便性向上につながるだろう。特に、この技術は、公務員が職務過程で感じた不便を発明につなげたという面で特別な意味がある。
*発明の名称:「酸基を利用した1次沈殿池の浮遊物破砕および堆積防止装置」

個人、中小企業などの発明が対象となる洪大容賞には、JOINT YOOCHANG THERMAL SYSTEM社の代表理事が発明した「スリップジョイント」と、PPI社の研究所長などが発明した「光パワーメータ」が選定された。「スリップジョイント」とは、さまざまな振動方向の衝撃を吸収することで耐震性能を向上させた「配管連結装置」であり、「光パワーメータ」とは、半導体チップを利用して従来のモーター駆動方式よりも遥かに速い測定時間および正確度を提供する「通信線診断装置」である。

特許庁と中央日報は、1992年から発明者と創作者の士気を高め、国レベルで発明雰囲気を広げるために、毎年の上期と下期に特許技術賞を授賞している。

今年の下期の受付期間は8月25日から9月29日で、計116点が応募し、競争率は平均19倍であった。

特許技術賞の受賞者は賞金と共に特許庁の発明奨励事業(*)の優遇と、中小ベンチャー企業部の創業跳躍パッケージ支援事業と連携した創業企業支援という恩恵を受けるようになる。 *発明奨励事業:特許技術評価支援、知的財産活用戦略支援、特許技術取引コンサルティング、優秀な製品の優先購入推薦など

受賞者には特許技術賞の受賞マークを提供し、受賞発明事業化のマーケティングに役立たせる予定である。

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