知的財産ニュース 韓国、TM5およびID5の議長国を務める

2017年12月6日
出所: 韓国特許庁

韓国特許庁は11月30日から12月5日までスペインのアリカンテで開かれたTM5・ID5 (*)年次会合で韓国が2018年の議長国として選ばれたと発表した。

*TM5(Trade Mark 5)・ID5(Industrial Design 5):全世界の商標‧デザイン出願を主導する韓国‧米国‧欧州・日本‧中国の5庁

TM5・ID5会合は全世界の商標・デザイン出願の約70%を占める韓国、米国、欧州、日本、中国などの先進5庁が毎年開催する会合である。

TM5会合は2001年、米国・欧州・日本の3カ国会議(TM3)で始まったが、2011年に韓国、2012年に中国が参加し、5カ国会議(TM5)へと発展した。ID5は2014年まではTM5会議に属していたが、2015年に中国が参加したことで独立したID5が創立された。

2018年のTM5会合では、世界60の特許庁の約4,480万の商標DBを統合検索できる「TM-View活用方案」と、海外に商標を出願する時に韓国国内とは異なる商品の名称のため起こる商標登録拒絶問題を解決するための「共通認証商品リストの構築策」および審査結果の予測可能性を高めるための「審査結果の比較分析事業」などが議論される予定である。

ID5会合では各国のデザイン制度を研究する「デザイン登録要件および図面要件の比較」、「優先権制度の比較」、技術の発展に応じ、新たに登場したGUI(*)・UX(**)デザインなどを効果的に保護する方法を見つける「新技術デザイン保護」など、さまざまな主題について議論される見通しである。

*GUI(Graphical User Interface):ユーザーがグラフィックスを通じてコンピュータと情報を交換する環境
**UX(User Experience):ユーザーの経験

韓国が2018年TM5・ID5年次会合の議長国に選ばれた背景には、米国商工会議所傘下にあるグローバル知的財産センター(GIPC:Global IP Center)が発表する「国際知的財産指数(*)」の商標分野の評価で3年連続、世界1位を達成したことと、2016年ハーグ国際デザイン出願(**)で世界4位になるなど、商標・デザイン分野での存在感を世界的に認められたことがあると特許庁の関係者は語った。

*国際知識財産指数:国の知的財産の保護および執行能力を評価する指標
**一回の出願で複数の国にデザインの登録を受けることができる制度

韓国商標・デザイン協会(KOTA)、韓国知識財産協会(KINPA)、大韓弁理士会(KPAA)などの韓国のユーザグループと、国際商標協会(INTA)、米国弁護士協会(ABA)、日本商標協会(JTA)などの外国のユーザグループとのユーザセッションも付帯行事として開催される予定で、TM5・ID5協力事業に対する利害関係者からの意見や提案が寄せられる見通しである。

特許庁商標デザイン審査局の局長は「TM5・ID5会合の開催を通じ、韓国企業が海外に進出する時により便利に権利を獲得できるよう、出願人の便宜向上と商標・デザイン制度の国際的調和を図るため、さらに努力していく」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195