知的財産ニュース 特許庁、「2016年政府R&D優秀特許創出支援事業」を施行

2016年1月21日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、大学・公共研究機関で開発された技術が源泉特許・中核特許を確保できるよう支援する「特許設計支援事業」(22.4億ウォン)を始め、計69.2億ウォン規模の「2016年政府R&D優秀特許創出支援事業」の推進計画を確定し、施行することを明らかにした。

同事業はこれまで、大学・公共研究機関の重大型研究開発(R&D)課題を中心に、R&D初期・中期に「特許戦略策定(IP-R&D)」に重点を置いてきたが、今年からは開発された事業の「特許設計支援」まで範囲を広げ、R&D全段階において優秀特許が創出できるように支援する計画だ。支援規模は前年比47.9%増加した69.2億ウォンと、134政府R&D課題を支援する。

「政府R&D特許戦略支援事業」では、特許戦略専門家がチームを構成して大学・公共研究機関の研究開発課題について綿密な特許分析を行い、新たなアイデアの発想やライバル研究者への対応戦略、研究開発の方向設定等を重点的に支援する。今年は前年と同じ78課題(計事業費46.8億ウォン)を支援する予定だ。

2012~2013年の支援成果を調査したところ、優秀特許比率は政府R&D成均に比べ28%増加(13.4%→17.2%)し、一契約当たり技術料収入も政府R&D平均の3.7倍(3千5百万ウォン1億2千9百万ウォン)となり、同事業により創出された特許の質的水準や産業への活用度が高いことが分かった。

※韓国発明振興会・オンライン特許価値評価システム(SMART)上位3等級比率

一方、大学・公共研究機関の未活用特許問題を根本的に解決するためには、取得した特許の技術移転や事業化を支援することに先立ち、優秀技術を中核・源泉特許の確保につなげる努力が求められる。

こうしたことから、開発された技術が市場で活用度の高い高品質特許を確保できるよう支援する「政府R&D特許設計支援事業」を新たに実施する。すでに公開された技術があるかどうか、権利範囲はどう設定するか、またどの国に出願するか等を中心にサポートする。支援対象は研究開発完了段階にあり、知財権確保が急がれる大学・公共研究機関の研究団・研究室56課題(総事業費22.4億ウォン)となる。

特許庁のキム・テマン産業財産政策局長は「大学・公共研究機関特許の活用率を高めるには、まず綿密な特許分析で優秀特許を確保し、これを技術移転・事業化する戦略的アクセスが重要だ。大学・公共研究機関のR&D全段階に渡る優秀特許創出支援を行うことで未活用特許の発生を事前に抑え、特許の質の向上を図ることができると期待している」と述べた。

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