知的財産ニュース 韓国ベンチャー企業、アップルと商標紛争に

2016年2月14日
出所: 電子新聞

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韓国大徳研究界開発特区にあるベンチャー企業が米アップルとの商標紛争に巻き込まれた。2月14日、SmartB2Mと特許庁によると、米アップルはSmartB2Mが商標出願した「イープル(eepple)」件に対して異議申し立てをした。

SmartB2Mは、2013年に立ち上げられた技術型ベンチャー企業である。国内唯一の名刺認識エンジン技術の移転を受けた同社は、ウェブとアプリ、パソコン等で自由自在に名刺を管理できるソリューション「eepple」の発売し、去年2月特許庁に「eepple」を商標出願した。


画像:SmartB2Mが出願した商標見本

その後特許庁は、審査手続きにより去年5月27日から7月27日までの2カ月間出願公告を出した。通常、出願公告後相手の異議申し立てがなければ商標登録となる。

最初審査を担当したシン・ウジョン審査官は「当時、SmartB2Mが出願した商標はアップルと類似性がないと判断し、出願公告を出した」と話した。しかし、アップルが去年7月16日特許庁に異議申し立てを行い、商標紛争が始まった。

特許庁によると、アップルはSmartB2Mが商標出願した「eepple」は自社が先に登録した商標標章「apple」と類似するとの商標法条項(第7条1項7号・11号・12号)等を挙げ、登録は拒絶されるべきだと主張した。これに対し、SmartB2M側は「eepple」について、インターネットを意味する「electronic」と全てを可能にする「enable」からそれぞれ頭文字を取った「ee」と人を意味する「people」を組み合わせた合成語(インターネットで全てを可能にする人々)だと説明した。

争点となるのは、商標の類否判断だ。特許庁は商標について外観、観念、呼称の3側面を考慮して商標の類否判断を行う。オ・サンジン審査官は、「商標の外観や観念から見ると、SmartB2Mの『eepple』とアップルの『apple』は類似していないと判断している」と述べた。

カギは呼称だ。特許庁は、アルファベット「e」、「ee」の呼称が多様な形で発音できるという過去の大法院判例を挙げ、現在この問題に関する議論が行われていることを明らかにした。

オ審査官は「商標の類似性を判断する要素の中で最も重要なのは呼称だ。今後2~3カ月内に商標の類否を決定づける予定だ」と述べた。

SmartB2Mのソン・ウンスク副社長は「商標が類似する可能性はほとんどない。もし、特許庁が世界的な巨大企業の顔色を伺う形で不当に異議申し立てを受け入れるのであれば、法的対応等あらゆる措置を取るつもりだ」との立場を示した。

シン・ソンミ記者 smshin@etnews.com

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