知的財産ニュース 特許損害賠償制度‐司法手続きの見直しが必要

2016年7月29日
出所: 電子新聞

5426

「知的財産権の紛争解決の手続きはもちろん、特許侵害損害賠償制度の見直しが必要です」

パク・ソンジュン特許庁産業財産保護協力局長は7月27日、国会議員会館で開かれた「特許保護等革新産業の活性化に向けた大・中小企業の共存政策討論会」でこのように述べた。

同日、パク・ソンジュン局長は「知的財産権の生態系の問題点と解決策」という発表を通じて「好循環する特許生態系を造成するには、部分的にアプローチするのではなく、問題の根本的な原因を把握しなけなければならない」とし、抜本的な対策を強調した。国家R&D予算はOECD加盟国のうち1位で、特許出願も世界4位となっているが、知的財産権の使用料収支は赤字を出している現実をその根拠として提示した。


パク・ソンジュン特許庁産業財産保護協力局長

実際に、技術の価値を認めないため、資金の支援や技術の取引に障害が生じ、知的財産権を通じた事業化は難しくなる。そのため、創意的な技術開発への意欲が低下してしまう。さらに、高い特許無効率と低い損害賠償額で特許侵害はさらに容易になるという悪循環が繰り返されていることを指摘した。また、発明者と創業家の知的財産権に対する理解不足も問題点として挙げた。

同日、テーマ発表を行ったジュ・サンドンIPノミクス代表は、「特許紛争ビッグデータ分析」を通じて知的財産の重要性を強調し、韓国もグローバル市場で発生する特許攻撃に備えなければならないと注意を呼び掛けた。ベンチャー企業協会のホ・ヨング政策協力室長も、大・中小企業の共存策として、中小企業支援の専門家の拡大、特許紛争指針書の普及、技術人材任置制度の導入を提示した。ベンチャー法律支援センターのベ・ジェグァン代表は、法制度の改善に向け、懲罰的損害賠償制度の定着、特許無効制度審理制度の改善、厳格な刑事責任等を挙げた。イ・チャンフン弁理士は、米特許訴訟の事例分析を通じて、国内特許訴訟の場合、損害賠償額が低く、特許無効化率が高いという問題点があることを指摘した。


キム・ギソン議員が主催した「特許保護等革新産業の活性化に向けた大・中小企業の共存政策討論会」が7月27日、国会議員会館で開かれた

同日の討論会を主催したキム・ギソン議員は「特許保護や知的財産権の価値が高まる時に、革新産業が活性化されるというが、コンセンサスを形成するためにこのような場を設けた。知的財産権の価値を認識する雰囲気を醸成するとともに、関連法制度やシステムを整えなければならない」と話した。

ナ・ユグォンIPノミックスの記者 ykna@etnews.com

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195