知的財産ニュース 特許庁、健康及び環境分野専門審査チームを新設

2016年1月4日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、健康及び環境関連技術審査専門性を高めようと、2016年1月から健康及び環境関連技術の特許審査を担当する「資源再生審査チーム」を新設することを明らかにした。

今回新設される「資源再生審査チーム」は、現在複数の審査チームで分けて行っている健康及び環境関連技術の特許審査業務をまとめて行うことになり、主に水質浄化、大気汚染物の分離、廃棄物を利用した燃料生産、健康管理、ビューティーケア技術等の特許審査を担当する予定だ。

水質浄化や大気汚染物の分離のような環境関連技術の特許は過去5年間(2010年~2014年)毎年3,500件以上出願されており、このことから関連技術の開発が着実に行われていることが分かる。

主な健康・環境関連技術分野における特許出願現況(2010~2014年)(単位:件数)

技術分野(関連IPC)

2010

2011

2012

2013

2014

年平均

水質浄化(C02F)

1,239

1,294

1,218

1,165

982

1,180

汚染物分離(B0ID)

2,546

2,650

2,731

2,663

2,635

2,645

ヘルスケア(G06F 19)

264

627

459

884

499

547

ビューティケア(A45D)

669

714

878

879

837

795

※IPC(International Patent Classification):特許を技術分野別に分類できるよう、世界知的所有権機関が定めた分類体系

特に、最近パリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議にて、地球温暖化対策の新枠組みへの合意がなされ、韓国も2030年までに温室効果ガス排出量予測値の37%削減という目標を提出しただけに、今後環境汚染物質の削減や資源リサイクルに関する技術開発が一層活発になり、これに伴い関連特許出願も増加する見通しだ。

また、遺伝子情報等をコンピューター技術を利用して処理するヘルスケア関連技術や化粧品等のビューティーケア技術の特許出願も、健康・ビューティーへの関心の高まりに伴い今後増加し続けるとみられる。

特許庁はこのような状況の変化に予め対応するため、健康及び環境関連技術の特許審査を専門に行う「資源再生審査チーム」を新設し、特許庁内の専門家だけでなく、他の省庁からも専門家を招くなどして審査の専門性を確保できるようにしたと発表した。

また、関連学界や研究機関との交流により最新技術情報を共有することで審査の専門性を図るとともに、必要な特許動向情報は関連省庁や研究機関に提供して効率的な技術開発を支援する計画であることを明らかにした。

新設された「資源再生審査チーム」では、環境、生物、情報通信分野等の博士級審査官5人の他、17人の審査官が専門分野別に審査業務を行うことになる。

特許庁の「資源再生審査チーム」の新設により、健康と環境関連技術の特許審査において専門性が一段と向上するものと期待される。

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