知的財産ニュース 特許審判院、迅速審判の利用状況を発表

2016年12月27日
出所: 韓国特許庁

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特許審判院が昨年11月から施行した審判ファースト・トラック※制度がきちんと定着しており、特許紛争の早期解決に大きく貢献していることが分かった。

※特許侵害紛争関連審判、スタートアップ企業又は1人創造企業が当事者である審判等、緊急性を要する事件について3ヵ月以内に迅速に審決を行う制度

特許審判院によると、2015年11月~2016年11月までの審判ファースト・トラックの申請件数は429件(月平均33件)に達し、審判ファースト・トラックを利用した場合の処理期間は、約85日という。これは通常の審判処理期間(約9ヵ月)を約6ヵ月短縮させたもので、中小企業の時間・費用の負担を大幅に減らしている。

実際に、温水敷きパッドを製造する中小企業A社は、審判ファースト・トラックを利用して早期に紛争を解決することができた。A社は、特許を保有しているB社から特許侵害警告状を受けたが、技術調査結果B社の特許が無効という証拠を見つけた。そこでA者は、裁判所に非侵害確認訴訟を提起すると同時に、特許審判院に無効審判を請求した。一般的に無効審判は9か月以上かかるが、A社は新設されたファースト・トラック制度を利用したため3ヵ月で無効審決が出され、すべての紛争を終結させることができた。
審判ファースト・トラック制度の対象となるのは、紛争の長期化で困難を強いられる中小企業を支援するために導入されたもので、特許侵害訴訟が裁判所に係属中であったり、警察・検察に立件された事件、1人創造企業やスタートアップ企業の事件、中小企業‐大手企業間の紛争事件である。

これまでのファースト・トラック事件を分析した結果、裁判所で訴訟中にあり、又は警察・検察に立件された場合が全体の約91%を占めている。また、個人や中小企業による審判請求の割合が約77%に達していることから、中小企業に大きな恩恵を受けていることがうかがえる。

特許審判院のリュ・ドンヒョン審判政策課長は「審判ファースト・トラックは紛争の対応能力が弱い中小企業に大きな助けになる制度であるため、これからさらに発展させていきたい。また、主要事件については5人の合議体が審判するように見直す等、審判品質の向上にも積極的に取り組む」と述べた。

資料:審判ファースト・トラック関連統計

1. 請求件数

制度施行(2015.11)後、迅速審判決定の累計件数は429件(月平均33件)

月別迅速審判決定及び終結件数

区分

2015年

2016年

合計

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

決定件数

19

32

19

32

27

24

43

35

53

34

30

40

41

429

2. 処理期間

迅速審判は3ヵ月以内(84.8日)で審判が終結される。
迅速審判は、一般審判(2015年平均約9ヵ月)に比べ約6ヵ月速く処理される。

処理期間別迅速審判終結件数

処理期間

~30日

31~60日

61~90日

91日~

合計

平均

終結件数

20

55

115

99

289

84.8日

※90日超過件は、特許権訂正請求等によって1ヵ月延長された事件

3. 請求人

迅速審判に占める個人・中小企業の事件の割合は77.2%(331/429)

請求人別迅速審判件数

請求人

大企業

中堅企業

中小企業

公的企業

個人

外国法人

合計

決定件数

16

45

215

1

116

36

429

4. 決定事由

裁判所に係留中又は検察・警察に立件された事件が90.9%

迅速審判決定理由

区分

2015年

2016年

合計

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

提訴/検察・警察に
立件された事件

16

23

23

30

24

19

42

32

52

30

26

37

36

390

審判係属中訂正審判

2

3

-

1

3

4

1

3

-

4

4

3

3

31

大・中小企業間の審判

-

2

-

1

-

-

-

-

1

-

-

-

-

4

その他

-

1

-

-

-

1

-

-

-

-

-

-

2

4

合計

18

29

23

32

27

24

43

35

53

34

30

40

41

429

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