知的財産ニュース コンピューターのマウスに関する特許出願動向

2016年9月12日
出所: 韓国特許庁(

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モバイル環境が主流となり、パソコン時代は終わりを告げているが、コンピューターのマウスは多様な形で進化している。ユーザーの健康状態やストレスをチェックし、自家発電を通じて自ら充電する他、体に着用され、スマートフォンやタッチペンがマウスに変身する等、新しくて変化している。

特許庁によると、スマートフォンが本格的に普及し始めた2010年以降、この6年間コンピューターのマウスに関する特許出願は1年に50件前後と、地道に出願されている。

細部技術別に見ると、ユーザーの健康管理技術が72件、使用利便性の増大技術が55件、ウェアラブル関連技術が45件出願された。

ユーザーの健康管理ができるマウスの出願現況

出願された技術内容の詳細を見ると、健康志向に合わせたユーザーの健康管理関連出願が72件で、過去6年間全体の出願281件のうち26%を占めている。

マウスを長時間使用する際に生じる問題点である手根管症候群の予防に関する出願が38件と最も多く、マウスでユーザーの健康状態やストレスを点検・管理することに関する発明も11件が出願された。

代表的には、指や手のひらがマウスに接触する面に心電図や脈拍、血流等の生体信号を感知できるセンサーを取り付けてリアルタイムで健康状態を点検し、コンピューターを使いすぎたり、健康状態に異常が生じる場合、アラームで通知すれる技術等がある。

使用利便性を向上させるマウスの出願現況

モバイル環境に合わせ、マウスの携帯や使用便宜性を改善させることに関する発明は55件で全体の19%を占める。

代表的には、マウス本体を平たい板の形態にして持ち運びやすくする一方で、使用するときは手のひらが触れる部分だけを曲げて使用しやすくする技術、マウス本体に振動音響素子を登載してクリックやスクロールを使うときに多様な触感效果や音響効果を楽しめる技術もある。マウスのホイールやボタンを使ったり、マウスを移動させるときの動き等を通じて自家発電を起こして自動的に充電する機能を持つマウスに関する発明も10件出願された。

ウェアラブルマウス出願の現況

伝統的なマウスの形で机の上でのみ使用するのではなく、身体に付着して自由に歩き回りながら使用できるようにするウェアラブルマウスに関する出願も45件出願され全体の16%を占める。

代表的に、ユーザーの手首や指に着用され手の動きによってカーソルを移動させる技術、頭や足を使用する技術、さらには口の中の舌の動きを感知してマウスの機能を実現するアイデアも出願された。

複合機能を備えるマウスの出願現況

IT融合・複合の環境に合わせ、マウスに複合的かつ多様な機能を付加させたアイデアも42件出願され全体の15%を占める。

代表的に、マウスにスキャナの機能を付加して文書や写真をスキャンできるようにする技術、スマートフォンの文字入力をコンピューター大きな画面を通じてできるようにスマートフォンとパソコンをつなぐ手段として使用できるようにする技術、マウスに無線ワイファイ接続機能やUSB端子又は補助バッテリーを内蔵して多様なIT機器と連携して使用できるようにする技術が出願された。

IT機器が結合されたマウスの出願現況

スマートフォンが欠かせないものとなり、スマートフォンやタッチペンのようなモバイル機器にマウスの機能を結合させることに関する技術は34件出願された。

代表的に、スマートフォンのアプリを活用してマウスの機能を実現したり、スマートフォンの本体にマウスの機能を結合させた技術がある。また、タッチペンにマウスホイールとボタンを付着させタッチペンとマウスを同時に使用できるようにした技術もある。

出願人の類型をみると、個人出願が全体の61%を占めており、個人発明家が積極的に技術開発を主導していることが分かった。

特許庁のキム・ヒテ加工システム審査課長は「コンピューターのマウスのように平凡に思われる技術分野であっても、関心と注意を傾けば変化する環境に合わせていくらでも新しいアイデアがどんどん出てくると思う。これからもこのような伝統的な技術分野で斬新で積極的なアイデアが創出されると期待される」と話した。

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