知的財産ニュース 特許庁、職務発明補償制度の拡大を推進

2016年3月8日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、中小企業の研究開発(R&D)への投資意欲及び従業員の研究意欲を引き出し、技術及び人材の流出を防止するための職務発明補償制度を積極的に普及させるべく「中小企業職務発明メンターグループ」を構成し、職務発明補償制度のコンサルティング支援を積極的に推進することにした。

職務発明補償制度とは、雇用契約や勤務規定に従業員の職務上発明を企業が継承するよう規定し、従業員に正当な補償をする制度であり、韓国企業の職務発明補償制度の導入率は2015年度時点で55.6%である。

※職務発明補償制度導入率の過去3年間の推移:
2013年46.2%、2014年51.5%、2015年55.6%(出所:2015年知識財産活動実態調査)

これを受け、特許庁は弁護士や弁理士、教授等、職務発明制度分野の専門家で構成される「中小企業職務発明メンターグループ」を立ち上げ、中小企業が職務発明補償制度を導入及び運営する際に発生する問題の解決を積極的に支援する。

特許庁は、メンタープログラムの支援対象に選ばれた企業に職務発明メンターを派遣し「企業診断→制度導入→問題解決」の全過程についてコンサルティングを提供する。

メンターグループは、知的財産活動能力が比較的に脆弱な中小企業を中心に、制度の必要性(職務発明紛争の予防、企業の優秀人材の流出防止等効果)や制度導入時に与えられる各種の優遇(補償金に対する減税、認定による年次登録料減免等)を積極的にPRするとともに、制度を導入・補足して運営できるよう実質的な諮問を提供する予定だ。


中小企業職務発明メンターグループ発足式(3月4日14:00~16:00/韓国発明振興会大会議室)

特許庁では、職務発明メンタープログラムを運営する一方で、企業経営に負担となる規制を改善するという趣旨から職務発明制度の改善策も講じる計画だ。

特許庁のキム・ヨンソン産業財産政策課長は「職務発明補償制度は、従業員の技術開発成果を会社が活用し正当な補償を行う制度であり、コア技術及び優秀人材の流出防止に効果的だ」とし、「中小企業の職務発明補償制度がさらに拡大されるよう、様々な支援を惜しまない方針だ」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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