知的財産ニュース サムスン電子、HPに特許6,500件を売却

2016年9月28日
出所: 電子新聞

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サムスン電子も特許の収益化に目を向けるのだろうか。

事業再編を進めているサムスン電子がこれまで蓄積した莫大な特許ポートフォリオを売却する等、収益化に活用する見通しだ。サムスン電子がヒューレット・パッカード(HP)に移転する特許は6,500件余りで、今後非主力事業を整理する過程で特許の売却が拡大する恐れがあるという内容だ。

英国特許メディアIAMは今月13日(現地時間)、サムスン電子がプリンティングソリューション事業部をHPに10億5,000万ドル(約1兆1,500億ウォン)に売却することを決め、プリンターの関連特許約6,500件も一緒に移転すると報じた。海外メディイアはこれまで莫大な特許ポートフォリオを相互使用契約(クロスライセンス)の締結と防御用にのみ使用してきたサムスン電子がHPにおよそ6,500件余りの特許を移転することにした決定をついて「変化の兆し」だと評価した。

該当特許の国籍やファミリー特許(複数の国に出願した同一の特許)を含めるかどうか等については公開されていないが、6,500件余りという数値自体はサムスン電子にしても非常に多い。米国特許商標庁(USPTO)の資料によると、サムスン電子が2011年米国ストレージ(HDD)企業シーゲートにハードディスクドライブ事業部を14億ドル(約1兆5,000億ウォン)で売却した際に特許500件余りを譲渡したのが最多だったが、今回HPに譲渡する特許の10分の1にも及ばない。

様々な産業において強い特許ポートフォリオを構築してきたサムスン電子が主力事業を中心に事業再編を進める場合、今回のように非主力部門の特許の売却が増える見通しだ。それに伴い他社もサムスン電子の特許に関心を持つとみられる。知的財産権投資銀行MDBキャピタル・グループの発表によると、サムスン電子は2014年末時点で5万5,417件の米国登録特許を保有していた。これは2位のIBMより1万1,000件以上多い規模となる。

サムスン電子は今月12日、自社のプリンター事業部を10億5,000万ドルにHPに売却することで合意したと発表した。プリンター事業部を11月、新設法人に分離した後、持分全体をHPに売却する。関連手続きは1年以内に完了する予定だ。

イ・ギジョンIPノミックス記者 gjgj@etnews.com

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