知的財産ニュース 弁理士法施行令・施行規則の改正

2016年8月29日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、昨年末に改正された弁理士法(法律第13843号)による施行令・施行規則の改正作業を完了し、国務会議の議決(8.22)を経て、8月29日から施行すると発表した。

弁理士実務修習の内容及び期間

改正弁理士法施行令・施行規則によると、弁理士試験合格者及び弁護士資格所持者は弁理士資格を取得するために「集合教育」(250時間)と「現場研修」(6ヵ月)等、約8ヵ月間の実務修習を受けなければならない。
集合教育は、素養教育(10時間)、産業財産権法の実務(50時間)、産業財産権出願の実務(120時間)等、共通科目(180時間)と審判・訴訟過程又は科学技術の理解等、選択科目(70時間)で構成される。
現場研修は、特許法人等で職務トレーニング(OJT)形式で6ヵ月間進行される。

特許庁は、必須の集合教育とは別に必要な場合「科学技術分野上級過程」を追加で開設し、先端技術分野に対する理解を高めることができるようにする計画だ。

実務修習関連規定の改正の背景

実務修習期間と内容について立法過程で多様な意見が提示されたが、次のような点を考慮して決定

  1. 実務修習の期間及び内容を必要最小限に設定することで、実務修習を通じて法律サービスの提供に必要な最小限の専門性を確保できるようにして消費者の被害を予防する一方で、実務修習を受ける予備弁理士の過度な負担を防止
  2. 実務修習が登録要件から資格要件に変更されたことにより、修習期間が長くなると、弁理士試験に合格した者が資格を取得する時まで身分が不安定となる期間も長引く点
  3. 概ね6ヵ月前後の実務修習を受ける他資格士(弁護士、税理士、関税士、労務士等)との公平性

弁理士のサービス品質改善の推進

これとともに、特許庁は弁理士法の下位法令の改正過程において、規制改革委員会等で示された意見を反映して弁理士のサービス品質を改善していくと明らかにした。

1. 弁理士の情報公開範囲の拡大(施行令改正案に反映)

特許庁は今回の弁理士法施行令の改正を通じて、弁理士の情報公開を拡大することにした。
現在も弁理士の専門分野を公開するようになっているが、実際の専門分野に関連のある学問を専攻したか、関連学位を取得したか等を明らかにせず、そのレベルどの程度であるかを判断するのが難しかった。
これからは弁理士の「出身学科」及び「取得学位」を必ず公開するようにし、一般の法律消費者が自分に適合した弁理士を簡単に見つけられるようにした。

2. 「不誠実弁理士申告」コーナーの開設

次に、特許庁のホームページに「不誠実弁理士申告」コーナーを開設(9月初め)することにした。
消費者が弁理士の不誠実な代理によって被害を受ける事例が発生する場合、当該弁理士を懲戒して弁理サービスの品質を高めていく計画だ。
「不誠実弁理士申告」コーナーの開設により、弁理士が職務倫理を遵守し、信義・誠実を持って代理をし、法律消費者に被害を与えることが減るものと期待される。

特許庁はこれからも、一般の法律消費者が良質の弁理サービスを受け、強い知識財産権を獲得できるように弁理サービス品質改善をための対策を持続的に発掘して推進していく計画だ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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