知的財産ニュース 特許庁・産業部、中小企業ヒット商品を積極支援

2016年2月23日
出所: 韓国特許庁

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特許庁と産業通商資源部は、中堅・中小企業のヒット商品を集中的に支援する「グローバルヒット365プロジェクト」を推進することを明らかにした。

「グローバルヒット365プロジェクト」とは、中堅・中小企業のヒット商品が1年365日間知的財産権(IP)紛争への心配なく、世界市場を主導できるように商品開発の段階からブランド・デザイン・特許を融合したIP戦略を総合的に支援する事業であり、3年間250億を投じ、300余りの商品の支援を目標とする。

今回のプロジェクトは、激しい競争による技術及び商品の寿命の短縮、IP紛争の拡大、感性消費の影響で商品の競争力からIP、特に、ブランドやデザインが重要となるグローバル環境等を反映したものだ。

支援効果の大きい世界ナンバーワン商品の生産企業を重点支援対象とし、これまで別々行われた特許庁のデザイン・特許戦略の支援と、産業部(KOTRA)のブランド・海外情報調査の支援を統合し、両省庁の専門性を生かしつつ、支援の効率性も高める計画だ。

また、グローバルヒット商品の集中支援体制を構築し、IP戦略総合支援以降に産業部(KOTRA)の海外マーケティング、特許庁の紛争コンサルティング等を連携し、商品の開発段階から海外進出までワンストップで支援する予定だ。

IP戦略総合支援の主な内容としては、商品・市場・IP総合分析、トータル・アイデンティティ(TI)の構築、現地適合型ブランド・革新デザイン・優秀特許の開発、海外中心のIP出願・権利化の支援等がある。

図:IP戦略総合支援の主な内容

これまでは、技術を中心に特許戦略を支援(IP-R&D)した後、ブランドやデザインを考慮して商品を開発する供給者視点のプロセスだったが、これを需要者観点に完全変え、顧客が初めて見るような商品のブランド及びデザインを先に作った後、これに合わせて技術(特許)を適用して新しいヒット商品を作りだす戦略を提示し、この過程において海外商標・デザイン・特許権を取得するようにするサポートすることが、支援内容の中核となる。

これは、市場で顧客が商品の機能・品質等の伝統的価値だけでなく、ブランドやデザイン等の要素に対する関心が高まっていることや、人が技術をリードする現実を考慮したことだ。

また、高度の融合・複合IP戦略を効果的に支援するため、IP戦略専門家(特許・デザイン・ブランド)とIP分析機関(特許・デザイン・ブランド)において、専門担当チームが構成され、企業研究者を密着して支援する。

韓国中堅・中小企業の場合は、デザイン、マーケティング部署がないか、あっても研究開発部署と分離され緊密な協力が困難な状況にあり、これを考慮すると、ブランド・デザイン・特許を融合した総合戦略を提示する同プロジェクトは、我が中堅・中小企業がグローバル市場におけるヒット商品を開発するのに大きな役割を果たすものと期待される。

今年2~3月に支援企業とIP分析機関の選定を完了し、4月から9ヵ月間、約40社を支援する予定であり、さらに、特許、デザイン、ブランド、R&D分野の専門家フォーラムを立ち上げ、様々な政策ニーズも聴取することで同事業をさらに発展させていく計画だ。

産業通商資源部のパク・ジンギュ貿易政策官は「これまで世界一流商品の生産企業に対する支援を通じて、韓国企業の輸出競争力を高めてきた。今回のプロジェクトを通じてブランド・デザイン・特許で武装した世界一流商品が韓国輸出のリーダー役になることを期待する」と述べた。

特許庁のキム・テマン産業財産政策局長は「最近グローバルIP環境の中で、ヒット商品の創出と維持のためには、ブランド・デザイン・特許に関する総合戦略が必要となる。同事業は、我が中堅・中小企業のヒット商品のグローバル競争力を一層高められるきっかけになるだろう」との期待を示した。

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