知的財産ニュース 特許庁、特許ビッグデータから未来有望技術を模索

2015年4月2日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、4月から6大産業分野(情報通信メディア、ディスプレー、半導体、陸上輸送、電力・原子力、生産インフラ)を対象に大掛かりの特許分析を行い、オリジナル・中核特許を確保できる未来有望技術を掘り起こし、これに対する特許の先取り戦略を提示する国家特許戦略の青写真構築事業(以下、青写真事業)を本格的に推進すると発表した。

青写真事業は、専門家の直観や経験などに依存して未来有望技術を掘り起こす慣行を改善するために進められたが、特許庁が保有した2億5千万件の特許ビッグデータの分析により、未来の有望技術を模索する事業である。そのために特許庁は、全産業分野を18大分野に分け、2012年から毎年3~6大分野ずつ、2014年まで12大分野に対する青写真を構築した。

今年は、6大産業分野に対する青写真を追加に構築して18大の全産業分野に対する第1回特許戦略の青写真構築を完成する計画で、今年2月から2015年度事業の推進に向けて、政府・民間・学界を代表する分野別の専門家60人で構成された戦略委員会を発足し、20カ所の特許分析機関も選定するなど、事業を推進する体系を整えた。先週から産業分野別に約8カ月にわたる特許分析をスタートした。

これから特許庁は、(1)6大産業分野別に特許の観点から客観的な技術体系を構築し(4月~5月)、(2)産業分野別100万件以上の特許データを基に浮上性・有望性・オリジナル性など、多様な特許指標を深層分析し(5月~9月)、(3)特許の観点から韓国の成長をリードする未来有望技術を掘り起こして国レベルの先取り戦略を樹立(9月~11月)し、(4)その結果は、年末に未来有望技術コンファレンスにて発表(11月)、最終報告書にまとめて発行する(12月)予定だ。

特に今年は、事業結果の活用度を高めるため、中小企業が集中できる新事業の有望技術の掘り起こし(ディスプレー、半導体など)、特許‐標準の連携分析(情報通信メディアなど)、国のインフラ産業の競争力向上(陸上輸送、生産インフラ、電力・原子力)など、産業分野別の特性に応じてカスタマイズ型で進める予定だ。

また、各産業分野において最近注目を浴びている次世代の電力送電・配電、フレキシブル・ディスプレー、システム半導体、スマートカー、モノのインターネット、フィンテックなどの戦略事業を盛り込み、迅速に中核技術別の競争力分析などの深層分析を進め、政府による政策との整合性も高める計画だ。

特許庁産業財産政策局のクォン・ヒョッジュン局長は、「特許戦略の青写真事業は、最近注目されている証拠(データ)を基盤に策定した政策の代表事例だといえる。政府・民間によるR&Dがオリジナル・中核特許を確保できる未来有望技術に集中的に投資されるよう、未来部と未来成長動力に対する特許競争力の分析を進めるなど、関連部処との協力も強化する計画だ」と述べた。

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