知的財産ニュース ポスコ、新日鉄との特許争いに終止符

2015年10月1日
出所: デジタルタイムズ

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韓国の鉄鋼大手ポスコは新日鉄住金に2990億ウォンを支払い、4年間続けてきた法的紛争に終止符を打った。

ポスコは先月30日の公示で、新日本製鉄(当時)がポスコを相手取って東京地方裁判所に起こした特許侵害損害賠償訴訟は原告、新日本製鉄の取下げにより、終結したと発表した。

新日本製鉄は2012年4月、ポスコが「方向性電磁鋼板」の製造技術を新日鉄の元従業員を通じて持ち出したと主張し、訴訟を起こした。同社は、方向性電磁鋼板を北米市場に供給し収益を上げてきたが、ポスコが同市場に入り込んで北米等の海外市場で販売を開始し、両社の特許紛争が起きた。当時、新日鉄がポスコに要求した損害賠償金額は986億円だった。ポスコは、米国特許庁と韓国特許庁に当該特許無効審判訴訟を提起し、新日鉄もこれに対応し、韓国裁判所でも争いとなった。

ポスコの関係者は「今後、新日鉄との協力関係を持続しなければならないという認識があり、大局的観点から訴訟を終結することで合意した」とし「米国と韓国での訴訟も全て終結した」と述べた。また「3,000千億ウォンに達する費用が損失として計上されるわけだが、新日鉄が最初に求めた賠償額をはるかに下回る金額で和解した点や、訴訟関連リスクを解消して新日鉄住金との協力関係を強化できるようにした点等は、評価できる」と説明した。

ソ・ジョングン記者  antilaw@ dt.co.kr

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