知的財産ニュース 電子タバコに関する特許出願が増加

2015年10月12日
出所: 韓国特許庁

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タバコ価格の引き上げや禁煙エリアの拡大等から、紙巻きタバコの代替品として電子タバコが注目を集めている。電子タバコの世界市場規模は、売上額ベースで2008年2千万ドルだったが2013年には17億ドルまで拡大した。こうした中、最近韓国の電子タバコ輸入量も急増しており、2012年21トンに止まっていたのが2014年には204トンまで増えた。

このような市場の変化を受け、最近電子タバコに係る技術の開発や特許出願が活発に行われている。特許庁によると、2005年から2014年までの10年間、電子タバコに関する特許出願件数は計381件だった。2005年~2008年の間、1件~6件に過ぎなかったのがここ3年(2012年~2014年)で平均件数68件と、急激に増加した。

電子タバコに関する特許出願の分布を見ると、韓国人個人が56%と最多で、韓国企業(29%)、外国企業(12%)、外国人個人(3%)が後を継いでおり、大学は1件に止まっている。

特許出願された技術を具体的に見ると、電子タバコの中核技術である霧化器及びカートリッジに係る技術がそれぞれ17%と16%と最多となり、外観を利用した応用技術が12%、部品の修理及び交替のための組立技術が9%、用液流出防止技術が8%、バッテリー充電及びディスプレイ技術がそれぞれ7%、外部機器との通信及び吸入空気量の調整技術がそれぞれ6%、保護ケース及び電力調整技術がそれぞれ5%と後を継いだ。

※霧化器:液状を気体に気化させる装置

2008年までは、電子タバコの霧化器やカートリッジ等を中心に特許出願されたが、2009年以降は部品の組み立てや電力の調整、空気量の調整、ディスプレイ、バッテリーの充電、保護ケース等、多様な技術が電子タバコに応用され、出願されている。

最近特許出願が増加した技術分野は、電子タバコの外観を保護する保護ケースに関するもので、これに関わる技術は2009年4件が出願されたのを始めに次第に増加し、2014年には11件が出願された。この他にもディスプレイや空気吸入量の調整、電力調整、部品組み立てに係る特許出願が着実に増えている

特許庁の関係者は「近年、電子タバコの市場規模が急拡大しており、特に最近に入って健康情報提供機能や通信機能等の多様なスマート機能を加えた技術の開発が進んでいる」と説明した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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