知的財産ニュース 浄水器関連技術の特許出願が急増

2015年11月5日
出所: 韓国特許庁

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最近、「氷浄水器」特許技術を巡って、浄水器メーカーの2強間で100億ウォン相当の特許権侵害訴訟が起きており、注目を集めている。2兆ウォン規模の国内浄水器市場の成長が伸び悩んでいることから、若い消費者の生活パターンや健康意識の向上を反映した多様な機能の浄水器が開発されており、これに関する技術を確保するための競争も激化している。

特許庁によると、浄水器関連技術の国内出願は2009年300件以上だったが、2010年以降減少し続け、年平均250件未満と停滞している。しかし、様々な機能が組み込まれた融合型浄水器技術の出願は着実に増加している。

出願動向を見ると、機能水(炭酸水、水素水等)に関する出願は、2005年37件から2014年73件と、除氷・飲料機能が施された機能融合型浄水器出願は、2005年12件から2014年28件へと、2倍近く増加した。

最近、機能融合型浄水技術の出願が増加しているのは、衛生・殺菌の基本機能以外にも「炭酸水」、「除氷」、「飲料」等、多様な機能を加えた製品を開発して低迷している浄水器市場を打開しようという狙いがあるものと考えられる。

特に、「炭酸水浄水器」の場合、2012年5件、2013年17件、2014年には29件と、出願が急増している。これは、炭酸水がダイエットだけでなく、皮膚美容にも効果的という認識により、炭酸水市場が毎年成長していることを反映する。

最近の炭酸水浄水器関連技術は「冷蔵庫内装型」、「除氷兼用」、「殺菌機能付加」、「携帯用炭酸水器」、「炭酸濃度調整機能」等、スマートな機能を加え、技術の差別化を図っている。

一方、飽和状態の国内浄水器市場とは対照的に中国は、過去10年間年平均1,700件に達する水質汚染事故の影響で、家庭用浄水製品へのニーズが急増し、浄水器市場は2011年以降40%以上の伸び率を記録する等、世界浄水器市場のブルーオーシャンとして注目されている。

特許庁の関係者は「2016年から適用される環境商品の関税率の引き下げ政策が中国市場進出のチャンスとなる。既存の外国製品と差別化できる多様な機能の浄水器を開発する必要があり、現地における特許権の確保にも力を入れなければならない」と述べた。

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