知的財産ニュース 韓国産キウイ、輸出好調でロイヤルティ収入が拡大

2015年9月7日
出所: 農村振興庁

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国産キウイの不毛の地だった韓国は約20年間、品種開発に取り組んできた結果、優れた品種の開発に成功し、ロイヤルティを受け取って輸出する先進国の仲間入りを果たした。その中心には、農村振興庁が開発した韓国産キウイ品種があった。


画像左:ジェシーゴールド、 画像右:漢拏ゴールド

韓国は1990年代後半からキウイ育種事業を始めており、農村振興庁は去年まで17品種を育成してきた。このうち、韓国内自給率の向上に大きく貢献した品種は、韓国産ゴールドキウイ1号品種である「ジェシーゴールド(2002年開発)」と早生種である「漢拏ゴールド(2007年開発)」だ。

輸入品種を代替するために開発したこれらの品種は、ニュージーランド品種に比べ、品質が優れている上、栽培しやすい。また、糖度が高いため消費者に人気が高く、済州島だけでなく南部地方でも栽培面積が拡大している。

農村振興庁が開発した「ジェシーゴールド」と「漢拏ゴールド」は2010年、国産果樹では初めてキウイの原産地である中国から品種の優秀性を認められ、中国への輸出を果たした。売上額の5%をロイヤルティとして受け取る条件で輸出し、韓国は、ロイヤルティを支払う国から受け取る国へとなった。

中国に輸出した苗木が成木になった年から、年5億ウォンずつ、20年間系100億ウォンのロイヤルティ収入が見込まれる。

去年12月から今年4月までは、香港とシンガポールにも国産キウイ品種である「ジェシーゴールド」を輸出しており、輸出国の数を次第に増やしている。

国産キウイ品種の普及率は毎年上昇しているが、2006年に0%だったのが去年には20.7%にまで上っており、2017年には23%を目指している。

これにより、2010年に1.6億ウォン、2013年に11.3億ウォンだったロイヤルティ節約額は、2017年以降は30億ウォン以上になると推定される。

農村振興庁の南海出張所のキム・ソンチョル氏は、「韓国は、国産キウイの中国、香港、シンガポールへの輸出により、世界で3番目のキウイ輸出国となった。これは、農作物のロイヤルティ輸出において転機となったという点で大きな意味を持つ」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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