知的財産ニュース 韓国特許法院に国際裁判部の設置を推進

2015年7月31日
出所: 韓国大法院

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IP Hub Courtプロジェクト

  • 特許法院を中心とした大韓民国IP専門裁判所を国際IP訴訟における中核裁判所(ハブコート)に跳躍させることを目的とする。
  • 特許法院は、1998年、アジア初のIP専門裁判所として開院(日本2005年、中国及びロシア2014年)→ アジアトップの専門性
  • 韓国の司法府は、世界銀行が発行する「民事紛争解決における司法制度順位」で数年間世界2位を維持 → 1千万人以上の国では世界1位(5年間)
  • 韓国の特許出願件数は世界4位 → 特許「創出」分野の先進国
  • 優秀な司法インフラと特許創出分野の結合を通じて新たな司法モデル及び成長エンジンを提示

IP Hub Court推進委員会

  • IP分野は様々な利害が絡み合っている。→ 各分野から知恵を結集する必要がある。
  • 大法院、法院行政処に設置された従来の委員会は、教授、弁護士、大学学長等、社会元老で構成されるケースがほとんどだったが、
  • IP Hub Court推進委員会は国会議員、国家知識財産委員会、法務部、特許庁、産業界、学界(工学、法学)、専門家団体等で構成 → 立法府、行政府(法務部ではなく、特許庁等)の参加は前例のないケース
  • 裁判機能の本質上、受け身且つ慎重な姿勢を取ってきた司法府が「IPハブコートの設置」という積極的でクリエーティブなプロジェクトのため、異例の委員会を構成→ IPハブコートの設置への強い意志を反映

姓名

所属

職位

共同委員長

カン・ヨンホ

特許法院

法院長

キム・ドンワン

セヌリ党

国会議員

パク・ボムギェ

新政治民主連合

国会議員

行政府委員

ボン・ウク

法務部

法務室長

コ・ギソク

国家知識財産委員会

知識財産戦略企画団長

ジェ・デシク

特許庁

特許審判院長

学界委員

イ・グァンヒョン

KAIST

未来戦略大学院長

チョン・サンジョ

ソウル大学校

教授

産業界委員

アン・スンホ

韓国知識財産協会

会長
(サムスン電子IPセンター長)

専門家委員

クォン・テクス

韓国知識財産権弁護士協会

会長

キム・サムス

大韓弁理士会

首席副会長

司法府委員

ベ・ギヨル

ソウル高等法院

部長判事

イ・ジョンソク

特許法院

部長判事

ハン・ギュヒョン

特許法院

首席部長判事

第2回会議のテーマ「IP Hub Courtの国際化-国際アクセスの強化」

2015年6月4日第1回の会議では、今後の案件や日程が決められ、6月29日第2回の会議で、初の議論及び議決が行われた。

議論のテーマは、「IP Hub Courtの国際化-国際アクセスの強化」。
細部案件は、(1)国際裁判部の設置、(2)国際電子訴訟の導入及び活用策、(3)国際交流及びステータスの強化

国際裁判部に関する議論は司法歴史上初めてで、
(1)法廷で英語等の外国語で弁論することを認める、(2)外国語で作成された書類や証拠を認める、(3)判決文については、まず韓国語で宣告した後、外国語翻訳サービスを提供する、との内容が議論された。

  • 国際裁判部は、アジア初の試みとされており、英語を使いなれているスイスとドイツで最近、試験的に導入されている。
  • 特に、外国人の韓国特許法院へのアクセスを高めることができると期待される。
  • 国際電子訴訟や映像証言等についても司法アクセス向上策として議論される予定。
  • 国際裁判部の運営に欠かせないプロの通訳翻訳家の採用や特許法院の判決を外国に知らせるための英文判例集の発刊等に必要な予算は2016年度予算案で申請済み。推進委員会の議決建議後、具体的な準備作業が始まる予定。
  • 次回の会議においても、IP Courtの専門性強化等について議論される予定。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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