知的財産ニュース 養蜂技術に関する出願が増加

2015年7月1日
出所: 韓国特許庁

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蜂蜜やプロポリス、ロイヤルジェリー等を生産する目的でハチを飼育する養蜂技術から産出される養蜂産品の生産額規模が4,000億ウォンを超えている中、最近、同分野における技術開発及び特許出願が活発化している。

※生産額規模:1,849億ウォン(06年)→2,259億ウォン(08年)→4,332億ウォン(10年)→4,039億ウォン(12年)

特許庁によると、2010年~2014年の5年間、養蜂技術関連の特許出願件数は計196件である。同期間、特許出願は減少傾向にあったが、2014年に61件が出願され、前年(31件)に比べ2倍近く増加した。

※特許出願件数:38件(10年)→37件(11年)→29件(12年)→31件(13年) →61件(13年)

養蜂技術に関する特許出願を出願人別にみると、個人が80%と最多となっており、国・自治体(10%)、企業(9%)がその後を継ぎ、大学はわずか1%に止まっていた。出願人のほとんどは韓国人で、外国人による出願は1.5%にすぎなかった。

技術分野別にみると、蜂蜜の効率的な生産・管理ができる蜜蜂の巣箱の構造に関する技術が35%と最多を占めており、蜂蜜・プロポリス等、養蜂産品の収穫に関する技術が21%、花粉や糖液等、餌を与える技術が9%、病害虫防除技術が9%、巣蜜生産技術が8%、ハチを利用した花粉受精技術が5%を占めている。

最近、特許技術が増加した技術分野は、蜂蜜が貯蔵されているハチの巣を熟成させ収穫する巣蜜生産に関わる技術であり、2013年に初めて3件が出願され、2014年には13件に急増した。巣蜜の場合、蜂蜜を別途採取する必要がなく、手間が省かれる上、収穫時に加熱しないため栄養の破壊も少ないという長所があり、今後、この分野における技術開発と特許出願はさらに活発になると予想される。

※巣蜜関連の特許出願件数:0件(10年)→0件(11年)→0件(12年)→3件(13年)→13件(14年)

一方、特許庁は「国際知的財産分け合い事業」の一環として進めている適正技術開発事業を通じ、韓国の養蜂技術を活用して開発途上国を支援してきた。適正技術とは、途上国住民の困難を解決するために、現地で調達できる材料で実現した技術のことだ。特許庁は、約2億7千万件の特許情報を活用し、途上国のために適正技術を開発している。2014年にはガーナに養蜂技術を普及させ、現地の雇用創出や所得増加に貢献できるものと期待している。

特許庁の関係者は「蜂蜜生産物の市場規模が着実に拡大している状況を踏まえると、企業や研究所、大学が蜂蜜分野の技術開発にもっと積極的に取り組む必要がある。また、蜂蜜の生産性を向上させる技術に止まらず、生産された蜂蜜の付加価値を高め、健康食品や美容、医薬等、関連産業に適用できる技術にも目を向け、開発戦略を立てていかなければならない」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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