知的財産ニュース 国際社会で注目を浴びた韓国の知的財産共有策

2014年9月25日
出所: 韓国特許庁

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キム・ヨンミン特許庁長は、9月22日にスイス・ジュネーブで開かれた第54回世界知的所有権機関(WIPO)加盟国総会(9.22~9.30)に参加し、韓国政府の中核推進課題である知的財産に基づいた創造経済の実現戦略の1年間の主な成果を加盟国と共有し、総会の付帯行事として韓国信託基金10周年記念行事を開催した。

キム庁長は、総会初日に基調演説を通じて韓国政府が推進してきた「知識財産に基づいた創造経済の実現戦略」の1年間の主な成果として、「知的財産権担保貸出」の拡大など知的財産金融の活性化、「ポジティブ審査制度」、「一括審査制度」などユーザーに合わせた審査サービスなどを紹介した。併せて、政府機関が有している有用な特許情報および公共著作物などを国民に提供し、付加価値を創出する韓国政府の「政府3.0」政策も紹介した。

※知的財産権担保貸出は、信用と担保力が不足している中小企業が特許権など、知的財産権だけで必要な資金を借りることができる制度

また、キム庁長は、9月23日ジュネーブにあるWIPO本部でフランシス・ガリーWIPO事務総長、チェ・ソギョン在ジュネーブ韓国代表部大使と各国代表団約600人の参加の下、WIPO韓国信託基金運営10周年記念行事を開催した。キム庁長は祝辞を通じて、受取国から供与国に一皮向けた韓国の経験およびノウハウを基に開始した韓国信託基金事業の10年間の成果を国際社会と共有した。ガリー事務総長も祝辞を通じて途上国支援分野における韓国の貢献度を高く評価し、韓国信託基金は非常に模範となるケースで、これまで適正技術の開発および児童教育向け動画の提供など多くの成果を上げてきたと説明した。

※韓国信託基金(Korea-Funds-In-Trust)は、途上国や最貧国の知的財産分野の力量強化および認識向上を支援するため、韓国政府(特許庁)がWIPOに供与する基金のことで、2004年以降、計86億ウォンを支援した。

同行事では、韓国信託基金の紹介、途上国に対する適正技術の開発、IP行政の力量強化およびIPに対する認識向上、創意工夫の発明教育などをテーマとした展示会も同時に行われ、適正技術ドキュメンタリー、児童教育向け動画の動画などが公開された。

※適正技術とは、途上国国民の困難を解決するため、現地で得られる材料をもって具現した技術を意味する。

同行事の前にキム庁長は、ガリーWIPO事務総長と機関長面談を通じて、国際特許出願などに関するWIPO支援の拡大と情報化分野を中心とした両機関の協力案について話し合った。さらに、会期中には主要15カ国と二国間会談を開催し、WIPO加盟国間の協力事項を含めた様々な知財権懸案について議論する予定だ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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