知的財産ニュース 特許審判院、初のビデオ口頭審理を開始

2014年4月25日
出所: 韓国特許庁

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特許審判院は、4月24日の午前、テジョン庁舎とソウル事務所をつなげる「ビデオ口頭審理システム」を開始し、初のビデオ口頭審理を開いた。

これまでの口頭審理は、首都圏にいる審判当事者がテジョンに足を運ぶか、審判部とサポーターがソウルに向かっていたが、ビデオ口頭審理システムにより、こうした不便が大部分解消されるようになった。

特許審判の口頭審理は2006年から本格的にスタートしたが、事件の争いが把握しやすく、説明の機会が十分に与えられるというメリットがあり、最近5年間、1日平均3件以上の口頭審理が行われ、2013年には879件が開催された。

※口頭審理開催件数:(2009) 165 → (2010) 647 → (2011) 757 → (2012) 953 → (2013) 879

ビデオ口頭審理システムは、審判当事者の不便を解消し、「需要者のニーズに合わせたサービス創出」という政府政策のバックアップとして推進されたもので、2013年6月ビデオ口頭審理システムの導入決定後、10ヶ月間の準備過程を経て今回に本格スターとした。

映像システムは、従来の対面口頭審理と大差はなく、リアルタイムの質疑応答が可能だ。また、事件の争いを説明するため当事者が準備した資料や証拠物品を拡大して見られるよう、実物画像機やテレビモニターなどの先端設備を備えた。

両側の当事者ともに首都圏に住んでいる場合はもちろん、一方は首都圏に、もう一方はテジョンにいる審判事件にもビデオシステムを利用した口頭審理が可能となる。

※2013年の審判当事者の住居地の分布(計1560名):ソウル(85.3%)、京畿(3.5%)、テジョン(5.1%)など

特許審判院は、10月をめどに、当事者間の争いの把握が比較的に容易とされる商標分野の口頭審理を中心に試行した後、徐々にデザインや特許分野にまで拡大していく計画だ。また、審判当事者の要請がある場合には、試行期間中でも特実分野の「技術説明会」や、「苦情者の面談」、業務の協議のためのソウル‐テジョン間のビデオ会議など、幅広く利用する計画だ。

特許審判院のホン・ジョンピョ院長は、「ビデオ口頭審理が可能となって、絶対多数を占める首都圏の審判当事者が便利に口頭審理を受けられるようになった。これからも、国民が実感できる個別ニーズに合わせた審判行政サービスを提供し、現場の問題を持続的に改善していく構えだ」と述べた。

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