知的財産ニュース ポスコ、日韓の電気鋼板特許係争で勝利 

2014年2月18日
出所: デジタルタイムズ

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韓国特許庁は、新日鉄住金の方向性電気鋼板関連の特許について無効決定を下し、ポスコが新日鉄住金と行っている特許係争で勝ちを取った。

ポスコによると、17日、韓国特許庁は、新日鉄住金の特許4件に関する無効審判の結果、「4件の特許の38請求項全てがすでに知られている公知技術と同一、または類似であるため無効である」という決定を下した。

方向性電気鋼板とは、変圧器などに用いられる高性能の鋼板で、電気自動車やハイブリッド車、再生エネルギーの素材などに利用され、未来の鉄鋼素材の一つとして注目されている。

今回に無効とされた特許4件は、方向性電気鋼板の素材になる鋼板を加熱する速度、鋼板の熱処理温度、鋼板内の酸素量及び鋼板から調査されるレジャーの出力に関するものだ。

2012年4月、ポスコの方向性電気鋼板の販売が増えると、米国でポスコが自社の特許を侵害したとして新日鉄住金が訴訟を提起して始まった係争だ。

これを受けポスコは、米国と韓国に該当特許4件を侵害していないうえ、特許そのものが無効であることを主張してきた。

これに対し、新日鉄住金は、米国特許庁の無効決定を回避するため、従来の4件に31請求項となっていた特許を115件に細分化して対応したが、米国特許庁は、115の請求項のうち、109項について「すでに知られている公知技術と同一、又は類似であるため、無効自由がある」という趣旨の中間決定を下した。

韓国特許庁が米国特許庁と同様の趣旨の無効決定を先に下したことで、「ポスコが自社のコア技術を利用して特許を侵害した」という新日鉄の主張には一旦歯止めがかかった。

チョン・ユジン記者

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