知的財産ニュース 政府R&D特許、違法行為を撲滅

2014年12月24日
出所: 韓国特許庁

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政府の研究開発(R&D)事業が健全かつ効率的に推進され、経済革新に貢献するよう、個人名義の特許出願および登録に対する管理が強化され、特許成果も従来の件数中心の量的評価から活用度中心の質的評価に転換される。

未来創造化学部と特許庁は、12月23日に開催された第7回国家科学技術審議会において、上記の内容を盛り込んだ「政府R&Dの特許成果管理強化方案」を確定し、具体的な推進内容を発表した。

樹立の背景

政府R&D事業によって創出された特許成果は、原則として所属機関の名義で出願・登録するようになっているが、最近は個人名義でする出願・登録が毎年増加傾向を見せていて、問題となっている。
※個人名義の特許現況(件):(‘11)533件→(‘12)931件→(‘13)1,139件

個人名義の特許は、個人事業者の場合など、一部の不可避な側面もあるが、私的な流用の可能性もあるため、徹底した実態調査と管理・監督が求められる。

また、政府のR&D事業評価の体系が質的成果中心に改編されたことを受けて、特許成果を管理するための質的成果指標の開発および活用に対するニーズも高まっている。

しかし、現在まで研究現場に普及している特許の質的指標の数が極めて制限的であるだけでなく、活用度も低いため、関連機関が特許成果を出願件数中心の量的側面から評価する場合がほとんどだった。

そのため、未来部と特許庁は、政府のR&D事業によって創出された個人名義の特許出願・登録件に対する管理を強化し、質を中心とする特許成果の情報を公開・共有するため、本方案を策定した。

主な推進内容

1.個人名義の特許出願および登録に対する監督の強化

  1. 特許成果を収集し始めた2006年からの全ての特許成果に対して、個人名義の有無に対する全面的な実態調査を進める。
  2. 調査結果を担当のR&D部処および専門機関などに通知し、個別の件に対する適法性確認および不当な個人名義の特許については、各機関が還元措置を推進する。
  3. 2015年から収集される2014年の成果と新規出願される課題の出処を記載した特許に対するモニタリングを強化し、四半期別の担当R&D部署および専門機関に関連事実を通知する計画だ。
  4. 最後に「違法の個人名義出願者に対して、政府R&Dへの参加制限を拡大、事業費の還元規定の新設」など、不正行為を撲滅するための制裁規定を強化する。

2.質中心の特許成果情報の活用を支援

  1. R&D事業の成果指標を設定する、または特許観点の事業改善方案を導き出す際に活用できるように標準化したファミリー特許指数、特許品質指数など、多様な質中心の特許成果の指標を開発・普及する。
  2. また、今回提示される特許成果の指標を「国家研究開発事業の標準成果指標」に反映するなど、関連部署および専門機関において充実に活用できるようにする予定だ。
  3. 最後に、部処別特許成果管理に役立つよう、特許成果指標の数値などの特許情報をR&D部処および専門機関に公開・共有するための開放型流通体系(Open-API)も構築する。

3.特許成果の効率的な管理支援体系を策定

  1. 未来部と特許庁は、「政府R&Dの特許成果管理協議会」を構成して、政府R&D事業における個人名義の特許管理と質中心の特許成果管理を積極的に支援する。
  2. 一方、「特許成果情報の常時収集と質的現況に対する総合的な特許水準の診断・分析」が円滑に進められるよう、「特許成果管理・流通の専従機関である韓国知識財産戦略院」の役割が強化されるよう、発明進行法施行令に関連事項を反映する。

期待効果および今後の計画

特許庁のキム・ヨンミン庁長は、「今回の方案が違法の個人名義の特許を撲滅することで、健全なR&D環境作りに貢献し、質中心の特許成果管理によって、政府R&Dの効率性が向上すると期待している」と述べ、

「今後も関係部処と緊密な協力を通じて、本方案を充実に履行していけるように徹底的に点検し、関連制度の改善を持続的に推進していく計画だ」と述べた。

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