知的財産ニュース 国際特許出願、世界5位に!

2014年3月19日
出所: 韓国特許庁

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2013年の韓国の特許協力条約(PCT)を通じた国際特許出願の件数が前年比4.5%増加し、4年連続世界5位の座を維持した。

先週末、国連傘下の世界知的所有権機関(WIPO)が発表した「2013年の暫定出願統計資料」によると、韓国の国際特許出願の件数は1万2386件と、全体20万5300件の6.0%を占め、世界5位となった。

※韓国のPCT国際特許出願件数:2012年11,847件→2013年12,386件

1位は、5万7239件(27.9%)を出願した米国だ。米国は、金融危機が発生した2007年以前の出願水準(54,046件)を上回る水準に回復し、押しても押されぬ1位を守りぬけた。2位は4万3918件(21.4%)で前年と同一な水準にとどまった日本が占めた。4位だった中国は、昨年、出願が15.6%も増加(21,516件)し、ドイツを追い抜いて3位とランクアップした。

また、世界の出願件数全体は、米国、中国、韓国の急速な出願増加に後押しされ、初めて20万件を突破した。

全体増加量のうち、韓国は、米国56%、中国29%に続き、3番目に高い割合(5.6%)で全体的な増加に貢献した。

企業別の出願件数を分析すると、パナソニックが2,881件で1位となった。2年連続1位だった中国の用法通信企業ZTEは、出願件数が急減し2位になった。情報通信企業のワウェイ(Huawei)まで含め中国企業が2位、3位を占めていることは注目すべきだ。世界上位10特許出願企業には、日本企業が3社、中国と米国企業が2社、ドイツ、スウェーデン、オランダ企業がそれぞれ1社含まれた。

韓国企業ではサムスン電子の国際特許出願件数が1,193件で前年の733件降り460件増加した。これは、グローバル特許係争の可能性に備え、米国市場など主要国を対象とした国際特許出願の強化による影響だと分析される。LG電子が1,170件(15位)、LG化学が449件(34位)となった。

研究機関及び教育機関の中では、KAISTが105件を出願して世界の研究機関及び教育機関の順位で7位(全体順位197位)となった。ポステックとソウル大学は83件と80件で12位(全体順位258位)、13位(全体順位266位)となった。

韓国特許庁は、中小企業に対する国際特許出願費用の支援と、PCT-PHHの拡大など、様々な取組みを通じて国際特許出願を支援している。関連制度の見直しや精度の説明会を開催しているため、この増加基調の維持が期待されている。

※「特許協力条約―特許審査ハイウェイ(PCT-PPH)」とは、国際調査機関や国際予備審査機関の見解書や報告書に特許権を受けられるという判断を受けた場合、第2庁にPCT-PHHを申請すれば、その判断内容に基づいて第2庁が早めに審査する制度

一方、マドリード条約による尾国際商標出願と、ヘーグ条約による国際デザイン出願も毎年増加している。韓国の国際商標の出願も毎年増加している。また、韓国が世界3位のデザイン出願国であることを踏まえると、ヘーグ条約による国際デザイン出願が導入される今年の7月からは、国際デザインの出願の更なる増加も見込まれている。

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