知的財産ニュース 旅行アプリに関する特許出願が増加

2014年8月22日
出所: 韓国特許庁

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わずかここ数年で、スマートフォンは旅行に欠かせないものになった。単にブログやSNSなどに旅行記を更新するためではなく、スマートフォンを利用して旅行先の地図、天気、交通案内など様々な国内外の旅行情報をリアルタイムで手に入れられるアプリケーションが次々と登場しているためだ。

韓国特許庁によると、旅行に関する特許出願は2011年に約30件に過ぎなかったが、2012年55件に増加した。今年は7月まで42件が出願され、年末まで60件以上が出願されると見込まれている。

2011年以降は、旅行に関する出願全体のうちスマートフォン向けアプリに関する出願が7割以上を占めている。旅行が未知の世界を経験する活動であるだけに、旅行先の情報に対するニーズは大きい。そのため、スマートフォンで実現される旅行情報提供の機能を中心に数多くの特許出願が相次いでいる。

旅行に関するアプリの特許には、目的地を選択するとスケジュールや予想費用の提案、道案内までする旅行計画に関する出願、他の観光客ルートなどの旅行情報を収集してお勧めするマッチング技術出願などがある。

その中でも位置情報システムを利用して旅行先で写真を撮ると、当該地域の旅行情報がオーバーレイされる拡張現実の出願が注目されている。

実際、以上の特許に関する旅行アプリは活発にリリースされている。興味のある旅行先をクリックすれば、ルートとスケジュールを地図に表示し、ユーザー向けのガイドブックを作成してくれる。また、ネットがつながらない所でもガイドブックや地図を確認することができるのでWifiゾーンを探し回る手間を省ける上、ガイドにチップを手渡す必要もない。

ユーザーそれぞれが作ったガイドブックを共有し、レビューと意見を基に旅行先がどこであっても最安値航空便やお勧めのホテル、おいしいレストラン、観光スポットなどを提供してくれる情報共有型アプリは、一人旅を計画している人に最適だ。

特許庁の関係者は「近頃、旅行情報の信頼性と質的向上に対する観光客のニーズが高まっているだけに、ビッグデータおよびSNSで充分に検証された旅行情報を取りまとめて加工する技術に関する特許出願も増えてくる」と予想している。そして「一般的なアプリのようにすでに知られている情報を編集して新たな形で公開する程度では、特許性が認められない。スマートフォンの機能に斬新なアイデアを結合したときにこそ、特許としての価値を認められるはずだ」と説明した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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