知的財産ニュース 5G通信特許のグローバル先取り競争が熱帯びる

2014年3月15日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁によると、2010~2014年まで、5G候補技術関連の特許出願は300件に迫り、2013年から本格的に出願されはじめているという。

5Gは、4世代(4G)より1000倍早くヒト・モノ・情報を超高速につなぎ、実感サービスを提供するものとして、情報通信産業及びほかの産業全体を革新する創造経済のコアインフラになる技術だ。

出願を分析すると、大手企業や国の研究機関の出願が50%を占めている。大規模な多重アンテナ及びミリ波技術を韓国企業が中心になって研究しており、2013年から増加基調が鮮明になっている。小型セル技術は、国内外の企業が競合的に出願している。

企業が競って5G関連の特許を出願する理由は、2020年から商用化される5G市場で主導権を確保するための企業の技術開発戦略が反映された結果だと解釈できる。韓国特許庁に提出された4G関連の特許が1万1千件に迫っていることから考えると、5Gが商用化される2020年頃には、5G関連特許が1万件を超えるという見通しも可能だ。

業界では、サムスン電子がすでにモバイルワールドコングレス(MWC)2014で、超高周波を用いて1Gbps以上の伝送速度の5g技術を示し、SKテレコムも2018年試行サービスを行う計画だ。

韓国政府も5Gをリードするため、2018年の冬季五輪で5G試行サービスを行い、2020年、世界初めて商用サービスの実現とともに、特許競争力1位、1万6千の雇用創出を目標としている。そのため、2020年をめどに7年間、政府と民間共同で約1.6兆ウォンを投資する計画だ。

今後5Gは、超高速情報伝達のために、ミリ波、大規模な多重アンテナ及び小型セル技術を利用してモバイル立体映像のような実感サービスを提供すると予想される。

ミリ波は、氷上競技にたとえると、トラックを100車線に広げて一気に走らせるようなもので、広い周波数大域から大量の情報を伝送できる。大規模多重アンテナ技術は、アンテナを数百個以上使用して、多量の情報を送る。最後に小型セルは、オリッピン区競技の中継をするミニ放送局をビルの中に細かく設置し、どこにいても途切れることなく情報にアクセスできる。

通信ネットワーク審査課のソン・デジョン課長は、「4Gでは、キャリア束技術などを利用してデータの伝送速度を向上させたが、5Gの場合、1000倍速い新しい技術を確保するため、1~2年内に激しい競争が予想される。5G特許競争力1位を獲得するよう、オリジナル特許の確保が必要だ」と強調した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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