知的財産ニュース 「2013年度国家R&D成果」が発表…特許成果の量的増加が目立つ

2014年11月24日
出所: 未来創造科学部

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未来創造科学部と韓国科学技術企画評価院は、2013年度の成果を含めたここ5年間(2009年~2013年)の研究開発(R&D)の成果を分析した「2013年度国家R&D成果の分析結果」を発表した。

同分析結果によると、韓国の国家R&D事業によって創出された論文、特許などの研究成果が着実に増加しているほか、SCI論文は質的水準も成長していることが分かった。
※2013年度の調査・分析対象の570事業・50,865課題

国家R&D事業成果の総括現況

区分

科学的成果

技術的成果

経済的成果

SCI論文

国内特許・登録

海外特許・登録

技術料

事業化

'13年の成果

27,052件

14,151件

1,270件

5,291件

(2,431億)

15,315件

前年比増減率

-5.5%

27.3%

27.0%

-4.6%

(-15.2%)

5.8%

年平均増減率

('09~’13)

2.9%

32.4%

17.1%

-2.8%

(5.4%)

16.7%

※SCI論文の場合、前年比1,561件減少しているが、これは「2段階の研究中心大学育成(BK21)事業」の終了に起因('12年:3,311件)するもの。技術料は、企業の負担緩和に向けた徴収料率の引き下げ(’12.7)、中小企業に対する技術料の減免拡大などの政策に影響されたものと分析

SCI論文は、’07年に0.36回だった論文1件当たりの被引用回数が’13年に0.53件と47.2%増加し、量的成長とともに質的水準の向上も図られている。

図1.SCI論文1件当たりの被引用回

特許の場合、量的成長とともに米国に登録された特許件数と三極特許件数も着実に増加し、技術に対する国際的な権利が向上したものの、
SMART総合等級による質的分析の結果、中位・下位等級(BB以下)が多少厚くなっている様子を踏まえると、質的水準の向上への取り組みが必要だということが分かる。
※SMART(System to Measure, Analyze and Rate patent Technology):客観的かつ定量的な特許情報を活用して、5大技術別の評価モデルを構築し、その評価モデルを基に提供する特許分析評価システム。等級は最上位のAAAから最下位のCまでの9等級がある (韓国発明振興会)。

図2.等級別でみる国内に登録された特許件数

研究遂行主体別の成果分布を見ると、大学はSCI論文の生産性が高く、中小企業は特許数(出願・登録を含む)の増加('12:5,975件→’13:8,937件)とともに技術料・事業化の成果が高いことが分かった。

図3.研究遂行主体別の政府投資費用および成果の分布

一方、SCI論文と国内登録特許の成果を質的指標で分析した結果によると、応用研究や開発研究よりは、基礎研究から導き出される研究成果の質的水準が相対的に高く、基礎研究の重要性が確認できた。
※(SCI論文)被引用件数(1件当たり):基礎0.57、応用0.46、開発0.39
(特許)基礎研究の上位等級(AAA~BBB)の割合が応用・開発研究に比べて優秀

国家R&D事業の成果分析は、科学技術基本法第12条により、国家R&D事業の調査・分析の一環として未来創造科学部と韓国科学技術企画評価院が毎年、論文・特許・技術移転・事業化など4大成果に対する量的・質的分析を実施している。

今年度の分析結果は、12月中に最終発行・配布する予定で、国民が容易に情報を確認・活用できるように国家科学技術知識情報サービス(NTIS)でも提供する予定だ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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