知的財産ニュース 韓国特許庁、米国で知的財産投資説明会を開催

2013年6月10日
出所: 韓国特許庁

4208

ニューヨークにおいて海外知的財産センター(IP-DESK)を開所

韓国特許庁は、大韓貿易振興公社(KOTRA)と共同で、米国のニューヨークにおいて6月7日、海外知的財産センター(IP-DESK)の開所式を行った。

また、開所とともに、KOTRAニューヨーク貿易館に所在している韓国貿易業界のビルにて韓国特許庁の「海外知財権保護の説明会」をニューヨーク大使館の関係者、現地の企業家、法律専門家、商工関連団体の会員などが参加した中で開催した。

途上国における模倣品被害とは別に、米国などの先進国では、特許管理会社や保護貿易主義の影響などによって韓国企業が知財権紛争に巻き込まれる事例が多く、今後も増加すると見込まれているため、現地におけるサービス枠を強化すべきだという声が高まっていたことが背景にある。

今回、IP-DESKが設置されるニューヨークは、昨年3月に開所したLA地域のともに、韓国企業が最も多く進出している米国地域であり、同地域のIP-DESKは、米国輸出や米国市場でビジネス活動を行う上で経験する知財権関連の問題を解決するため、知財権情報の提供、専門家による相談、技術取引など、様々な支援サービスを提供する知財権の「ゲートウェー」としての役割が期待されている。

特に、中国などに設置された従来のIP-DESKは、韓国企業の知財権侵害を回避するために侵害調査や取締まりに重点が置かれたが、米国のIP-DESKは、侵害紛争に巻き込まれた韓国企業が多いという特徴を踏まえ、輸出品に対する紛争可能性の予測と回避、紛争対応コンサルタントに重点を置いて運営する予定だ。

キム・ヨンミン庁長は、「半導体やデジタル分野では、中堅・大手だけでなく、売上高10億ウォン以下の中小企業も紛争の対象となっている。だからIP-DESKを通じて事前の措置を優先検討する必要がある」と強調しながら、「韓国特許庁は、現地にIP-DESKを設立・運営するとともに、韓国企業の知財権保護のため、昨年11月に韓国知識財産保護協会内に知財権紛争対応センターを設立して予防中心の紛争段階別に合わせた支援を行っている。業種別の団体間で共同対応を促し、輸出段階別に合わせた紛争対応支援政策を推進する計画だ」と説明した。

韓国特許庁は、KOTRA、韓国知識財産保護協会と共同で知的財産権の情報不在、及び専門家の不足によって苦しんでいる韓国企業を支援するため、2006年からIP-DESKを設置・運営している。IP-DESKは、現在中国(北京、上海、広州、靑島、沁陽)、ベトナム(ホチミン)、タイ(バンコク)、米国(LA)など8か所に設置・運営されている。今後は、米国ニューヨークにIP-DESKを開所する他、韓国企業の知財権紛争多発地域とされる欧州、日本などの先進国にも追加開所する計画を持っている。

知識財産コリア投資説明会を開催

一方、キム庁長は、ニューヨークのIP-DESK開所式に先立ち、同日午前、米国企業の知財権責任者、及び代理人を対象に、知的財産コリア投資説明会(IP Korea-IR)を開き、韓国の先進化された特許制度と特許審査サービスを紹介した。

今回の説明会は、米韓FTAとEU-韓FTAを通じて先進化された知的財産権システムと特許審査サービスを米国現地で直接説明し、米国から知的財産保護圧力を受けていた「受け身」の立場から脱し、知的財産投資誘致活動がスタートしたことに意味がある。

韓国特許庁は、新政権の創造経済パラダイムと知的財産政策を紹介することで、米国企業の韓国に対する知的財産投資を積極的に誘導し、韓国がアジア地域の知的財産において最適の投資先として位置づけられるようにする戦略だ。

キム庁長は、韓国特許庁の審査サービスが国際的に認められていることを強調し、安定的かつ透明な知財権の保護がなされている韓国に持続的な出願と投資を求めた。

韓国企業は、米国企業の国際特許(PCT:特許協力条約)出願の3分の1に当たる16,000件と、韓国への直接出願約12,000件に対して特許審査サービスを行っている。今回の説明会の参加者は、韓国特許庁が米国を訪問して特許庁長が韓国の知財権政策と審査行政について詳細な説明を直接行ったことに深い印象を受け、韓国政府のグローバルサービスを理解する上で大いに役立ったという反応を示した。

韓国特許庁は、こうした知財権投資説明会を定期的に開催し、より多くの外国企業から知的財産サービス需要を誘致し、国内の関連知的財産産業と雇用を拡大していく計画だ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195