知的財産ニュース 韓国特許庁、APEC基金誘致で途上国を支援

2013年9月24日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、約9万ドルのAPEC基金を誘致し、途上国を対象とした適正技術開発事業を推進する。

今回の基金誘致は、今年5月のAPEC知的財産権専門家会合(IPEG)で提案したもので、今月16日、加盟国の全会一致で最終選定された。これは、APEC支援基金(ASF:APEC Support fund)として、途上国の能力開発を通じてAPEC域内の経済自由化と経済成長を促す目的で活用されるが、知財権を通じて途上国との相互成長を追求する韓国の取り組みが高く評価され、APEC基金事業として選定された。

そのため、韓国特許庁は、APEC内の途上国が必要とする技術特許情報を活用した適正技術の開発戦略ワークショップの来年6月開催を計画している。

ワークショップでは、21のAPEC加盟国及び、WTO、WIPOなどの国際機関をはじめ、NGO団体の代表、適正技術の専門家が集まり、低開発国や低所得層に向けた特許情報を活用した適正技術の開発戦略、適正技術の事業化過程で生じる知的財産権関連の問題などについて集中議論し、加盟国の成功例・失敗例を共有して発展の在り方を模索する予定だ。

韓国特許庁は、韓国が技術の提供を受ける国から、技術を提供する国に成長した分、国際社会への一層の貢献のため、2010年から、途上国に対し知的財産ボランティア事業を行っている。

代表的には、2012年、韓国特許庁とNGO団体であるハビタット(国際連合人間居住計画)がネパールに竹住宅の断熱性能を高められる建築技術を開発したことがあげられる。

夏と冬、昼夜の温度差が激しいこの地域に、韓国特許庁とハビタットは、藁や土など、周辺で手に入れやすい材料で従来の竹住宅の断熱効果を高めた技術を普及した。この技術に基づき、ハビタットは、「ネパールに10万軒住宅建設キャンペーン」を推進している。

韓国特許庁は、このほかにも、APEC基金を利用して2011年、途上国の優秀な商品の商標獲得とブランド化を支援する「APEC一村一ブランド事業」や「e-learningコンテンツを活用した知的財産人材育成事業」を行うなど、APEC加盟国の知的財産権強化においてリード的な役割を果たしている。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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