知的財産ニュース 韓国特許ネット、アフリカ大陸に進出

2013年10月10日
出所: 韓国特許庁

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韓国型の特許情報システム「特許ネット」がアフリカに本格進出することになった。

韓国特許庁と韓国国際協力団(KOICA)は、アフリカ地域の知的財産機関「アフリカ広域知的財産機関(ARIPO)」の特許情報システムの現代化を図るための着手報告会を10月7日、ジンバブウェ、ケニア、モザンビークなど18カ国が加盟している。

今回の着手報告会では、ARIPOのFemando dos SANTOS事務局長をはじめ、ジンバブウェ産業資源部長官、ジンバブウェ特許庁長が参加し、アフリカ英語圏の特許ネットに対する高い期待と関心が確認できた。韓国からは、韓国特許庁のイ・ジュンソン次長、ジンバブウェ大使館のリュ・クァンチョル大使、世界知的所有権機関(WIPO)のチーム長などが参加した。

韓国特許庁は、これまでKOICAの無償援助プログラムを活用し、途上国の特許行政の現代化に向け様々な取り組みを行ってきた。今回のARIPO特許ネット構築プロジェクトは、今後2年間、580万ドルが投じられる。

これに先立ち、2011年にはモンゴルに、今年はアゼルバイジャンに特許ネット基盤の特許行政システムが構築され運営中にある。

特許ネットの主な海外進出事例

  • 2011年もモンゴル、2013年アゼルバイジャンに特許情報システム構築が完了
  • インドやフィリピンなど、約10カ国に特許ネットのノウハウを配信
  • 2013年9月現在、ベトナムとアンゴラにおいて特許ネット構築に必要な事前妥当性を調査中

ARIPOプロジェクトが完了すれば、アフリカにおける英語圏は、韓国型の特許情報システムを活用し、特許出願・受付の電子化、先行技術DB構築及び検索の自動化、オンライン手数料の納付などが可能となる。

今回の事業は、国際的に高く評価されている韓国オリジナルの特許ネット技術をアフリカでは初めて普及するということに大きな意味がある。

また、中小のシステム開発メーカー(SI)が参加しているため、今後、中小企業の海外進出にも役立つと考えられる。

韓国特許庁のイ・ジュンソク次長は、「これからも韓国特許庁は、KOICAとの連携を通じて途上国の支援事業を拡大している考えであり、知的財産分野の国の格上げに貢献したい。また、中小企業の海外進出を積極的に支援している計画だ」と今後の計画を説明した。

一方、この日の報告会でARIPOの事務局長は、「今回の事業は、アフリカ特許行政の水準の向上に貢献するだろう。韓国の持続的な無償援助を感謝している」と述べた。

ジンバブウェのリュ・クァンチョル大使は、「アフリカとの特許情報化分野の協力を皮切りに、さまざまな分野で協力し合って、これがビジネス韓流につながることを期待している」と述べた。

KOICAモザンビーク事務局のチョ・ビョンソン局長は、「ARIPOシステムの現代化が持続的に行われるためには、韓国特許庁及び知的財産関連機関との協力ネットワーク構築が何より大事だと思う。積極的に相互協力策を模索していく計画だ」と述べた。

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