知的財産ニュース KIPO、グローバル商標ルール作りを主導

2013年12月5日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、12月5日と6日の両日間、ソウルで商標分野の先進5カ国枠組み「TM5会議」を開催する。

TM5会議は、背カの商標デザイン出願の約7割を占める韓国、米国、欧州、日本、中国など先進5国特許庁が出願人の利便性向上や商標・デザイン制度の国際調和を図るため、毎年行う会議だ。

2001年米国、欧州、日本の3国会議(TM3)からスタートし、2011年韓国、2012年中国が参加して5国会議 (TM5)となった。

今回の会議には、欧州商標デザイン庁(OHIM)の長官、米国特許商標庁(USPTO)の次長など、TM5の高官や、世界知的所有権機関(WIPO)関係者約40人が参加する。キム・ヨンミン長官は、「TM5会議の開催を通じて、韓国が国際的な商標制度議論を議論できるのではないかと考えている。今回の会議を通じて韓国企業の海外進出をスムーズにできる環境が構築されるよう取組んでいる構えだ」とコメントした。

一方、今年TM5会議の議長を務める商標デザイン審査局のパク・ソンジュン局長は、「TM5は、商標分野のグローバルルール作りを行う枠組み」と名づけ、今回の会議で議論される議題について説明した。

それによると、第1に、世界35特許庁の約2,300万の商標DBを統合検索できる「TM-View」の構築・活用策が議論される。その韓国語版が12月中に立ち上げられれば、それを通じて各国に類似の商標が登録されているかを簡単に検索でき、海外における商標戦略の確立に役立つと考えられる。

第2に、海外へ商標出願を行うとき、国内と異なる商標の名称で商標登録が拒絶されるケースが22%に達しているが、それを解決するために「共通認定商品リスト」運営案が議論される。これは、各国で共通認定される商品名称の約15,000件を翻訳し、出願人に提供するもので、実務的に非常に役立つと期待されている。

第3に、同一の商標について国ごとに相違する審査結果が出て出願人の予測可能性が落ちてしまう問題を解決するため、「共同審査事業」が議論される。これは、各国に共同出願された商標の審査結果を分析して国別の慣行や制度を把握するもので、出願人が海外商標権の登録を把握し予測と対応が可能になると期待されている。

最後に、韓国特許庁の主導により「TM5公式ウェブサイト(www.tmfive.org外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」が立ち上げられる。2014年1月から運営されるウェブサイトには、TM5の主な協力事業の結果と各国の商標統計などが掲載され、出願人の利便性を向上できると考えられる。

さらに、6日には、韓国商標・デザイン協会(KOTA)、韓国知識財産協会(KINPA) 、大韓弁理士会(KPAA)など、国内のユーザーグループと国際商標協会(INTA)、米国弁護士協会(ABA)、日本の商標弁理士協会(JTA)、ドイツの知識財産保護協会(GRUR)など、海外のユーザーグループ約60人が参加するユーザーセッション会議が開催される。今回儀では、TM5協力事業について利害関係者が様々な意見交換を行うほか、建議事項が共有される予定だ。

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