知的財産ニュース [国政監査]特許無効化率を低減させる審査官数の拡大を指摘

2013年10月17日
出所: 電子新聞

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国会の産業通商資源委員会所属の与野党の議員は、17日、特許庁の国政監査において、特許庁の人手運用問題を指摘した。特許の無効率が高く、被害を受けている特許権者と中小企業を保護するため、審査官の拡大を要請した。審査官の拡大においてネックとなる安全行政部の公務委員定員制度問題も指摘された。

チョ・キョンテ議員(民主党)は、「日本の場合、訴訟による特許無効化率が29.3%に過ぎないが、韓国は51.3%だ」として、「見直しが必要だ」と説明した。チョン・スンオク議員(民主党)も、「特許無効率が高く、特許権者と中小企業がきちんと保護されていない。無効化率を低減させるための特許審査官の増員が必要だ」と指摘した。

特許庁によると、今年8月ベースで、特許・実用新案の審査官は690名だ。審査官一人当たりの審査特許件数は、年間254件に達している。チョン議員は、「特許庁の審査官の数が不十分で、先行技術調査などの一部業務は、外部に依頼しているが、1番目の(外部依頼)審査も細かく行われていない。特許1件を処理するのに8時間しか与えたれてないようなものだが、業務の量を増やすのではなく、増員への取り組みが必要だ」と指摘した。

特許庁審査官は、公務員定員制度により制限される。安全行政部の承認なしに審査官の数を増やすのは容易ではない。これについてチョン議員は、「特許庁は、責任運用機関であり、政府予算に拘らなくても審査官の増員はできるが、安全行政部を説得するなどの努力が不十分だった」と話した。

国会産業通商資源委員会のカン・ちゃんイル委員長も、「特許庁にパワーがなく、安全行政部に強く意見を主張できずにいる。必要であれば、国会と大統領がダイレクトに連絡をすることも想定できる」と述べた。地域ごとに設置され、地域の中小企業の知的財産権の保護を支援する知識財産センターの従業員の専門性も指摘された。セヌリ党のイ・ジンボク議員は、「知的財産センターの従業員のなかで、知財権関連の資格を持っているのは18%にすぎない。効果的なコンサルタントは期待できない」と述べた。予算の無駄遣いを割け、専門的な能力強化に集中してほしいという説明だ。

キム・ヨンミン庁長は、「関係機関と協力して審査官の増員に取り組んだが、不十分だった。特許の品質を高めるため、審査官の増員に止まらず、特許裁判所とも連携して特許の無効化率を低減させるために最善の努力を尽くしていく考えだ」と答えた。

クォン・ドンジュン記者

主要国の審査官数の現状(単位:名)

区分

2009年

2010年

2011年

2012年

米国(USPTO)

6,145

6,128

6,685

7,831

日本(JPO)

1,692

1,703

1,711

1,713

欧州(EPO)

3,965

3,952

3,949

3,987

韓国(KIPO)

770

810

830

855

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