知的財産ニュース サムスン電子、EUと独占禁止法違反の疑いについて交渉を開始

2013年6月26日
出所: 電子新聞

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サムスン電子は、欧州連合(EU)と独占禁止法違反の疑いに関する交渉を行っていると、ロイター通信が26日に報道した。 EUは、昨年末、サムスン電子が標準特許を乱用してアップル製品の販売差止めを求めた行為は、独占禁止法違反だと警告した。

ロイター通信は、「サムスン電子が数ヶ月間、 EUとの交渉を進めており、合意を求めている」と、消息筋の話を伝えた。サムスン電子と EUが合意に至るかどうかは、まだはっきりしていないという。

交渉がうまく行けば、サムスン電子は、嫌疑が晴れ罰金を出さなくてもいい。逆に、EU法を違反したと結論が出ると、173億ドルに達する巨額の罰金が科される。サムスン電子とEU執行委員会は、この案についての公式コメントを控えた。

サムスン電子は、2011年、EU加盟国においてアップルが自社の3G通信標準特許を侵害したとして販売差止めを求める訴訟を提起した。EU執行委員会は、サムスン電子がFRANDを宣言した特許をもってアップルと訴訟を行うことは、不公正な行為だとして是正を求めた。

サムスン電子は、昨年、イギリスをはじめ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダにおいて提起したアップル製品の販売差止め要請を撤回し、 EU法と規定に従った。

金融専門のシンクタンクの研究員は、「サムスン電子は、 EUF執行委員会が本件についての証拠を十分に確保していることを理解し、交渉に乗り出しただろう」という見方を示した。同研究員は、「執行委員会は、アップルが特許使用料を支払おうとしたが、サムスン電子が誠実に交渉に応じたかなど、意図性があったかどうかに注目している」と述べた。サムスン電子のこうした行為は、競争法の違反で処罰を受ける可能性がある。

米国の知的財産専門企業TechIPMのイ・グンホ代表は、「EUがサムスン電子が独占禁止法を違反したと宣言すれば、標準特許関連の販売額の最大10%を罰金として支払わなければならない。すでに、サムスンがアップルに対する販売差し止め訴訟を取り消したうえ、今後、標準特許の乱用をしないという約束と実践計画などを提出したため、是正命令で結論付けられる可能性が高い」と分析した。

キム・インスン記者

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