知的財産ニュース 金融業界「創造金融」の新風が吹く

2013年4月2日
出所: デジタルタイムズ

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パク・グンヘ政権の発足に伴い、創造経済を後押しする創造金融が金融業界の新たなテーマとして注目されている。市中銀行などの金融業界は、創造金融関連の組織を新設し業務提携を拡大するなど、素早い動きを見せている。また、イ・ミョンバク前政権で掲げられた「グリーン金融」や「金融公企業の民営化」などは、優先順位が逆転、今後の展開が注目されている。

1日の金融業界によると、金融委員会のシン・ジェユン院長と金融監督院のチェ・スウォン院長が今後の創造金融政策を強力に推進する方針を明らかにした。

シン・ジェユン院長は、3月2日に内定発表後のインタビューで「金融が創造経済をリードできるように、その在り方を明確にしたい」と述べた。その後、人事聴聞会と就任式などでも、創造金融を強調した。特に、29日にスンシル大学ベンチャ中小企業センターを訪問した時「必要とする資金を支援し、技術を開発すれば妥当な価格で販売できるようなインフラを構築するという役割を果たしていきたい。融資中心の資金の支援を、投資に軸足をシフトさせていく」と今後の在り方を明確に示した。

金融委員会は、その後ろ盾として政策金融システムの見直し案をまとめている。

チェ・スヒョン院長も3月18日の就任式において「新政権の国政課題を滞りなく進み、創造経済のけん引という役割をきちんと果たしたい」と強調した。

銀行も創造経済を支援するための具体案作りを急いでいる。KB国民銀行は、3月25日、銀行長を委員長にする創造金融推進委員会を新設し運営している。この委員会は、創造経済関連の政府系機関と連携し、関連戦略を確立、推進する組織だ。

KDB産業銀行は、先月、韓国特許庁と業務連携を締結し、創造経済を支援するため、知的財産権担保貸し出しをスタートさせると発表した。中小企業に対し、不動産や資産担保ではなく、革新的な技術に貸し出しを行う新たな制度だ。

これから金融機関の創造金融政策と銀行での関連サービスのラッシュが予想されている。

創造金融が強調され、前政権時代の主要なイシューの今後の動きにも関心が寄せられる。前政権では、2009年からグリーン産業成長を目標にしたグリーン金融を掲げてきた。しかし、最近、環境部が部署名から「グリーン」を取り外し、グリーン成長委員会も組織改編が行われるなど、グリーン産業分野も変化の風が吹いている。グリーン金融協議会の関係者は、「まだ、グリーン金融の変化や名前などに関する議論はない」と述べながらも、「最近の雰囲気では、大枠は維持されても、グリーン金融の体制を見直し、支援対象などは変わるのでは」という見通しを示した。

前政権の主な政策の一つだった金融公企業の民営化も俎上に乗せられている。前政権では、産業銀行の民営化が強力に推進されていたが、その動きも下火になりつつある。先月29日、企画財政部のイ・ソクジュン2次次官は、「産業銀行の売却は、今年だけでなく、しばらく行う計画がない」と明確に話した。

そのため、金融界でも前政権のシンボルは消え、新政権を象徴する「創造経済」に変わりつつあると言われている。

カン・ジンギュ記者

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