知的財産ニュース ETRI 特許競争力が世界1位

2013年4月4日
出所: デジタルタイムズ

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MITやNASAを押しのけて2年連続・・・特許件数702件と最多
産業影響力は課題に

韓国電子通信研究院(ETRI)が米国における特許競争力で世界的な研究機関を押しのけて2年連続1位に輝いた。マサチューセッツ工科大学(MIT)やスタンフォード大学、航空宇宙局(NASA)など、世界トップレベルの大学や研究機関より特許水準が優れていると評価され、注目を集めている。

未来創造科学部は、3日、米国特許許情報コンサルタント会社IPIQが世界の研究所、大学、政府機関などの237か所を対象に実施した2012年米国特許総合評価で、ETRIが昨年に続き今年も1位を獲得したと発表した。

米国MITが2位、カリフォルニア大学、スタンフォード大学がそれぞれ3,4位となった。中国の清華大学が前年の12位から7位も上がって初めて5位となり、台湾の総合研究機関である産業技術研究所(ITRI)、米国エネルギー部(DOE)、米国海軍、ドイツのフラウンホーファー研究機構 (FhG)、米国カリフォルニア工科大学が6位~10位にランクインした。

NASAは30位、韓国の研究機関ではKAISTが32位、ソウル大学が38位、ポステックが63位、韓国科学技術研究院(KIST)が66位にランクされ、100位内に5つの機関の名がランク入りした。

今回の評価は、研究開発(R&D)成果である特許登録件数と産業影響力、機関の技術変化のスピード、研究の競争力などを総合的に分析した。

ETRIは、その中でも特許登録件数が多くなっている。703件と、2~5位のMIT(257件)、カリフォルニア大学(415件)、スタンフォード大学(213件)、清華大学(184件)より多い。10位入りした機関のなかで特許登録件数が500件を超えたのは、ETRIと台湾のITRI(529件)だけだ。

技術変化の速度を表す「革新の周期」も6.8年と、MIT(13.1年)、カリフォルニア大学(11.5年)、スタンフォード大学(11.2年)などに比べ非常に短いことと分析された。10位入りした機関の中で革新の周期が最も短いのは清華大学(6.3年)だ。

しかし、産業界への影響力を表す産業影響力は、0.96と、10位入り機関の中では低い水準だ。MIT(2.46)、清華大学(2.30)、スタンフォード大学(2.03)、カルテック(1.65)、カリフォルニア大学(1.51)、フラウンホーファー研究機構(1.26)より産業影響力が低く、台湾のITRIと米国海軍がETRIより低いと分析された。

これは、登録件数は多くても産業界への波及力が大きいコア・基盤特許が不足していることを意味する。ETRIは、昨年(1.0)よりも産業影響力の指数が低下した。

科学力量と研究強度もETRI(それぞれ26・0.01)は、MIT(13.1・1.44)、カリフォルニア大学(11.5・1.44)、スタンフォード大学(11.2・1.17)より低い。

キム・フンナム院長は、「最近の4~5年間、企業の技術支援に重点を置き、研究課題を細かくしてきたため、お金になる強いコア・基盤特許が比較的不足している。これから、特許の質的水準の向上に向け、発明ランク制度を導入し、大規模なコア・基盤技術研究の割合を高めていく考えだ」と説明した。

アン・キョンエ記者

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