知的財産ニュース 「優秀IP確保を目指し特許出願費用を直接費にすべき」

2012年11月18日
出所: 電子新聞

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韓国が特許大国へ飛躍するためには、国の研究開発(R&D)事業の特許出願費用を間接費用から直接費用に転換させるべきだという主張が提起された。国のR&D事業の結果物を論文公開以前に特許権等手続きとして義務化すべきだという意見も出された。

「R&D IP協議会」は、16日、ソウルで開かれた「IP成果拡大フォーラム2012」においてこうした内容が盛り込まれた「政府に対する提案」を発表した。本会議は、全国89か所の公共技術移転専門組織(TLO)が参加するR&D IP協議会の主催で、教育科学技術部・韓国特許庁・電子新聞がスポンサーを務めた。韓国特許庁・知識財産委員会の公務員が大勢に参加したため、政策に反映できるかどうかが注目されている。

協議会は、間接費用として定められている特許出願・登録費用を直接研究費に分類すべきだと主張した。研究者のR&D結果物の特許出願を義務付けられるようにするためだ。今の特許出願・登録費用は、委託研究開発費、成果活用支援費、研究ノートの活性化関連の経費などとともに、間接費用に分類されている。委託研究開発費用などの他の経費に資金が要され、予算は不足してしまいがちであるため、研究者は特許出願に及び腰だ。出願も大概は国内にとどまっている。協議会は、米国の大学の例を挙げながら、米国内に比べ海外への出願の割合が100%に達しているが、韓国は10%にも満たないという比較資料を紹介した。

さらに、IP経費を直接研究費として計上し、繰越し使用も可能にすべきだと強調した。1つの発明が特許登録決定を受けるまで国によって毎回審査を受けるなど、相当の時間が要される。欧州だと5年ほどがかかる。繰越しできない現状では、登録に要される経費を個人、または機関が負担するしかない。

大学・公的研究機関の政府R&D事業研究責任者が出願前に論文を公開することも防ぐべきだという意見も出された。研究者の多くが認識不足で論文の発表ばかりに気を取られ、特許の確保は二の次になっている。苦労して開発したR&Dの結果物が収益に結びついていないのだ。論文に一度公開されてしまえば、特許確保は難しくなる。欧州では、論文発表後には出願が不可能だ。

その代案として、「研究機関のIP専門組織の確保」と「規模の拡大」が挙げられた。大学と公的研究機関における知的財産業務の専門人材の保有率は、50.7%にすぎない。労力も3.5人にとどまっている。R&D IP協議会のパク・ホヨン会長は、「国のIP競争力を高めるためには、何よりも優秀な特許を確保することが急がれている。現行では、資金不足で特許出願を無視するか、資金があっても時期を逃れて出願が出来ていないケースが散見されている。」として対策の必要性を強調した。

キム・ジュンベ記者

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