知的財産ニュース サムスン、雰囲気逆転のチャンスつかんだ

2012年9月3日
出所: デジタルタイムズ

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サムスンとアップルのホームである韓国と米国での判決後、日本で初めて行なわれた判決でサムスンが勝利した。米国で完敗したサムスンが日本での勝利をきっかけに再び特許戦争で有利な地位を確保したという分析が出ている。

東京地方裁判所は、8月31日、アップルが求めたサムスン電子の特許侵害訴訟について、サムスンに軍配を上げた。日本裁判所の中間判決は、アップルがサムスンに特許侵害を主張している2件のうち1件で、マルチメディアデータを同期化する技術だ。

日本における特許訴訟の主な争点は、アップルのデザイン特許権を認めるかどうか、そしてサムスンの通信技術についてFRAND規約に違反したかどうかだ。アップルが提起した残り1件のバウンスバック侵害とサムスンが特許侵害を主張しているUI関連の3件について裁判所の判断が重要になってくるという見通しだ。

日本裁判所の中間判決は、現在進行中の他国における裁判には大きく影響しないと分析されている。しかし、アップルのホームで完敗したサムスンとしては、米国以外の地域で初めて開かれた判決で勝利したという点で、大きな力になると見られている。米国のみアップルの一方的なデザイン独占権を認め、韓国に続いて日本でも事実上、サムスンが勝利したことで、雰囲気を逆転させる転換点になるということだ。

現在、サムスンとアップルが特許訴訟を行っている国は、ドイツ、イギリス、オランダ、韓国、米国、日本、豪州、イタリア、フランスの9ヵ国だ。このうち、裁判所で意味ある先例を残した国は、米国と韓国、オランダ、ドイツ、イギリスだ。現在は、一方的な勝利を認めていない雰囲気だ。サムスンが提起した無線通信技術の特許は、一部認められたか、全く認められていない上、アップルのデザイン特許についても一部の国しか認めていないためだ。

オランダの裁判所は、サムスンのFRAND規約と通信技術特許の消尽についてサムスンに軍配を上げる代わりに、サムスンがアップルの外見のデザインとUIデザインを侵害したことも広範囲に認めた。ただ、サムスンがアップルのデザインを模倣したという意図性は認められず、結果的には、サムスンが勝利したと評価されている。

イギリス裁判所は、ギャラクシーTabがアイパッドのデザインを模倣しなかったとして明快にサムスンに軍配を上げた。しかし、イギリスでは、残りの製品に対するデザイン侵害についての議論はまだされていない状態だ。ドイツ裁判所は、サムスンが提訴した特許3件全てをアップルが侵害していないという判決を言い渡し、アップルが提訴したUIデザイン権など6件のうち5件についてはまだ答えを出していない。

サムスンとしては、最近、アップルのデザイン独占権に対する批判の声が高まっており、欧州に続き、韓国、日本など、米国以外の地域で勝訴し、今後のグローバル訴訟戦の展開に大きく期待している。

キム・ユジョン記者

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