知的財産ニュース 着るコンピュータの時代がやってくる!

2012年10月29日
出所: 韓国特許庁

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ウェアラブルコンピュータの特許出願の動向

ウェアラブルコンピュータは、次世代コンピュータ産業の中枢として様々な産業分野の統合を主導し、伝統産業にITを融合して高い付加価値を生む新成長事業として浮上している。

ウェアラブルコンピュータは、身体や衣服に着用できるように作られたコンピュータを意味する。ユーザーが移動しながらも利用できるように小型化・計量化したのが特徴だ。走った距離やカロリーなどを自動的に記録する運動靴や運動服、マイクやカメラが搭載されている眼鏡などは、既に我々の日常生活に普及している。

今年、グーグルが公開した「プロジェクト・グラス」は、音声の命令で写真を撮ったり、メッセージを送ったり、グーグルの地図を利用したり、電話をかけることが可能で、これもウェアラブルコンピュータの一種だ。

韓国特許庁によると、ウェアラブルコンピュータ関連の特許出願は、2006件以降から増加基調にあるという。

年度別には2006年122件だった特許出願が着実に増加し、2010年165件に達したが、2011年100件から横ばい状態だ。(資料1を参照)

出願別には、大学/研究所が43%、大企業18%、中小企業13%、個人8%となっており、外国人の割合は18%と、主に内国人による出願が多くなっている。(資料2を参照)

ウェアラブルコンピュータ関連の技術を具体的にみると、着用する部位別のフラットフォーム、スマート衣類、着用型入出力装置、HMD(Head Mounted Display)、フレキシブル・ディスプレイ、五感の情報処理技術、ユーザー・インターフェース、身体通信、短距離無線接続技術などが多く出願されている。

市場調査機関であるIMSリサーチは、報告書において世界のウェアラブルコンピュータ市場規模が2016年には60億ドル以上に達するという見通しを示した。

スマートフォンの普及と様々なハードウェア機器の小型化の流れの影響で、スマート機器は、今後、ウェアラブルコンピュータの形で進化すると予想されており、ウェアラブルコンピュータで伝えられる様々なマルチメディア情報は、利便性を追求し、リアルタイムの情報伝達に慣れている現代人のニーズと合致するものとして、今後、関連特許出願も増加していくと予想されている。

参考資料

資料1:ウェアラブルコンピュータ関連特許の年度別における出願動向

資料2:ウェアラブルコンピュータ関連特許の出願人別の動向(最近の6年)

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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