知的財産ニュース 「伝統市場のブランド管理、もう一つの競争力」

2012年1月5日
出所: 韓国特許庁HP

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地域の生活と伝統、そして文化が生きて呼吸する伝統市場も、各市場だけが持つ固有の特性を含んで現わすことができるブランドを通じて、新しい競争力を備えなければならない。

2011年12月20日現在、全国の伝統市場の数は1,500個余りに達するが、韓国特許庁によれば、伝統市場の名前といえるブランドすなわち、商標やサービス標などを出願した伝統市場は全体の1.5%の22件に過ぎない。その上、地方自治体別においても大部分の地方自治体は伝統市場のブランドと関連して3件未満の商標およびサービス標を出願したことが明らかになり、10件以上の多出願の地方自治体はソウル市の1ヵ所に過ぎないことが分かった。

伝統市場は2011年11月末までに計89件の商標を出願し、このうち56件について商標登録を受けたことが分かった。

商標の場合、主に出願される商品は「牛肉、牛乳、服、サバ」等のように消費財商品が多数を占めており、サービス標は「販売業や食堂業」が多く出願されたことが分かった。

2006年から政府では大型マートとの差別化された競争力を備えるために、伝統市場の施設の現代化、商品券の発売、コンサルティング、自社ブランド開発など多様な努力をしてきている。

伝統市場が従来の大型デパートやマートに比べて自社ブランドを開発して管理するにはまだ不十分なレベルだが、成功しているケースもある。

「ソウル風物市場」のブランド管理の事例を調べると、人を形象化した独特な図形を加味して開発した標章( , )を出願して、計36件の登録(商標34件,サービス標2件)を受けた。これは、ブランド管理を通じて競争力を備えるための努力の結果と見られる。

このように各地元市場の文化と特性を生かしたブランドを開発して、顧客が「また訪れたい市場」として進化するためには、伝統市場だけの差別化されたブランド開発が至急であることが分かった。

これと関連して、カン・ホグン特許庁商標3チーム長は「伝統市場が新しいブランドを開発するためには、各地域と市場の特性に合うロゴや図形を使って、地域民らに簡単に覚えてもらえるブランドが何より重要であり、出願時には個人よりは地方自治体または組合のような法人形態で出願することが有利だ」とアドバイスした。

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