知的財産ニュース 中小企業、特許戦略支援で海外輸出の道拡大

2012年5月25日
出所: 韓国特許庁HP

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最近、海外市場への進出を計画中の国内中小企業に特許情報を活用して、研究開発の効率性を高める「民間IP-R&D戦略支援事業」が成果を上げている。

スーパーキャパシタメーカーのビナテックは、過去に競合会社との特許紛争の可能性のため、国内および中国の低価格市場を中心に事業を推進せざるをえず、その結果2009年の売上げは32億ウォンに過ぎなかった。

しかし、昨年米国市場とヨーロッパ市場を中心に攻撃的な営業をしたことから、2011年は82億ウォンの売上げを達成し、海外売上げの急増にともない現在は追加増設などにより、年500億ウォンの生産規模を持つ工場を新設している。

ソン・ドギョン代表は「大規模な投資が可能だった理由は、昨年から民間IP-R&D戦略支援事業に参加しながら、海外主要競合会社の特許分析を通じて対応戦略を構築し、当社の技術を多数の特許で保護することによって、特許紛争に対する事前準備が徹底的に行なわれていたためだ。」と強調した。

国内中堅ネットワーク装備メーカーのユビクォースは、国内市場の低迷を予想してグローバルビジネス拡大に総力を傾けている。しかし、海外市場進出初期段階に自社保有特許が無く、海外競合会社との特許紛争の可能性が存在しており、性能中心に開発したネットワーク装備も安価な中国産の類似製品と差別化を果たせなかったという評価を受けるなど、多くのあい路を経験した。

しかし、特許庁事業参加を通じて国内外の競合会社の特許分析を実施して、輸出予定国に製品発売前に特許出願をするなど、安定的市場進入のための基盤を構築した。

また、ネットワーク装備初、使用者の操作便宜性および機能強化デザイン概念を適用し、海外市場進出用の製品群にファミリールックを導入した。その結果、ユビクォースだけの固有イメージを反映した製品を発売し、最近は海外バイヤーと輸出契約締結を控えている。

25日ユビクォース成果発表会に参加した金・ホウォン特許庁長は「韓国企業が円滑に海外市場に進出するためには、研究開発の企画段階から特許情報を活用して、強い特許の確保戦略を樹立しなければならない」と述べた。

特許庁の「民間IP-R&D戦略支援事業」とは、参加企業の研究開発段階別オーダーメード型特許戦略を樹立することによって、強い特許を確保し、製品発売以後、特許問題から自由に事業を推進できるように支援を行なう事業だ。

今年は、計118企業に課題遂行費用の最大80%(8,000万ウォン)を支援し、下半期事業は5月31日まで申請・受付を行なっている。詳細事項は事業HP(ippro.rndip.re.kr)を参照。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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