知的財産ニュース サムスンとアップルの特許戦争、「今回は裁判所の外で」

2012年10月8日
出所: 電子新聞

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サムスン電子とアップルが標準特許の権利をめぐり、国際電気通信連合(ITU)で場外特許戦争を行う。国際的な特許競争において有利な立場を占めるため、両社は、激しい攻防を交わすことが予想されている。法的な拘束力はないものの、サムスン電子が強調する標準特許の権限を強化するか、アップルに有利な方の権限縮小になるかについて国際的な世論が形成されるためだ。

7日の放送通信委員会と関連協会によると、ITUが主管する初の国際公開特許会議「ITU特許ラウンドテーブル(Patent Roundtable)」が現地時間の10日、スイスジュネーブのITU本部で開かれる。

特許ラウンドテーブルは、最近急増している情報通信技術(ICT)企業間の特許訴訟による被害を防止し、有効な標準特許の活用を通じ、技術革新を促すために設けられた。ここで出された意見は、次期ITU特許政策の方向に反映される。先月、韓国を訪れてサムスンとアップルの特許紛争についての意見を聴取すると表明したハマドゥン・トゥーレ事務総長が直接主宰する。

欧州委員会(EC)、欧州電気通信標準化機構(ETSI)、欧州特許庁(EPO)と米国法務部・特許庁・連邦取引委員会(FTC)など、世界各国の担当期間が公式パネリストとして参加し、韓国の放送通信委員会と韓国情報通信技術協会(TTA) も参加する。サムスン電子とアップル、そしてノキアやエリクソン、マイクロソフト、リム(RIM)、モトローラなどの企業も参加名簿に名を挙げた。

ラウンドテーブルは、午前の公開討論と午後の非公開の自由討論に構成されている。主なテーマは、標準特許とFRAND条件の再評価だ。

最近、ICT業界では、特定の製品やサービスを開発する際に必ず必要な標準特許を合理的かつ非差別的に共有すべきだというFRAND条件をめぐり、賛否両論が巻起こっている。

FRAND条件の当初の導入目的が実現されず、特許技術を保有していない企業が特許権者の技術にただ乗りする手段になり、問題として浮上した。一方では、標準特許の保有権者が競合会社の侵入を防ぐためにFRAND条件を誠実に移行しないという不満も高まっている。自然に、現在の標準特許とFRAND条件を見直すべきだという意見が多くなった。

争点は、見直しの方向だ。標準特許件を持っているかどうかによって利害関係が異なるからだ。サムスン電子とアップルの米国における訴訟合戦は、標準特許を認めるかどうかが勝敗を決めた。常用特許を中心に対応したアップルが標準特許に重きを置いていたサムスン電子を、陪審員評決で勝利したのだ。

ITU特許ラウンドテーブルでも同様な展開が予想されている。アップルは、午前の公開討論で知的財産担当弁護士がモトローラとRIMとともに、産業界のパネリストとして参加する。アップルは、標準特許の権利濫用を防ぐため、FRAND条件の強化を訴えるとみられている。

サムスン電子は、午前の公開討論には参加せず、午後の非公開討論で各利害当事者を対象に自社の意見を説明する方針だ。サムスン電子の韓国IP担当者と米国の法人弁護士が参加するという。

業界の関係者は、「ラウンドテーブルでの議論がFRAND条件の強化と縮小のどちらに動くか、現時点では予想できない」と言いながらも、「アップルなどの一部企業と団体は、標準特許を積極的に開放して共有すべきだと主張するだろう。」と予想した。

イ・ホジュン記者

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