知的財産ニュース LED照明をめぐる特許戦争が沈静化

2012年1月3日
出所: デジタルタイムズ

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昨年末、発光ダイオード(LED)照明関連の特許ライセンス契約が相次いで締結され、企業間の特許戦争が小康状態に入っている。

3日業界によれば、昨年拡散状態を見せたLED照明関連の特許紛争は、今年落ち着いた状態を見せており、現在、最大の訴訟とされるオスラムと三星・LG間の紛争も年内に決着がつく見込みだ。

業界はすでに、LED照明業界の特許紛争が小康状態に入ったと見ている。先月1日、ソウル半導体とフィリップスがクロスライセンス契約の締結により8ヵ月余り続いた特許紛争を終わらせたのに続き、年末にはGEライティングソルーションも東部ライテク(旧ファウテクノロジー)とライセンス契約を締結して訴訟を取り下げた。

フィリップスとソウル半導体間の特許戦争は去る3月、フィリップスがソウル半導体を相手に、LED製作と関連して5種類の特許を侵害したと米国,カリフォルニア中央地方裁判所に訴訟を提起したことから始まった。これに対しソウル半導体が去る5月、韓国の裁判所とドイツの裁判所にフィリップスに対してLED照明関連の特許侵害訴訟を提起、両社の訴訟戦が深刻化した。また、GEライティングと東部ライテクは去る2010年5月、GEライティングが東部ライテクの前身であるファウテクノロジーを相手に、LED照明の寿命と関連した熱処理技術に対する特許侵害訴訟を提起し、これまで訴訟戦を引き継いできた。

業界では、オスラムと三星(三星電子-三星LED)・LG(LG電子-LGイノテク)間の訴訟戦もこのような手順を踏むと予測している。昨年6月、オスラムがこれらを相手に特許訴訟を提起して触発された特許戦争は、相互の反訴と追加訴訟の提起で戦争拡大の気配を見せたが、今年は合意点を見出すことになると見ている。このような予想は、外国企業の特許侵害訴訟が国内企業の成長を懸念した「牽制球」であることが濃厚なうえに、オスラムの場合、企業公開(IPO)を控えて会社の価値を高めようとする戦略も反映されるなど、外部の環境変化の要因が強く作用したものと考えられる。特に、今回の訴訟戦の核心特許であるホワイトコンバージョン(青い光を白色に変える技術)関連の特許がすでにヨーロッパで無効判定を受け、訴訟戦を持続する力が落ちる可能性も大きい。

業界のある関係者は「オスラムも勝訴の可能性が低いということが分かっていても、戦略的判断の下に訴訟を提起した」とし、「オスラムがこれまで特許訴訟よりライセンス契約を好んだ点を勘案すれば、三星・LGとライセンス契約を推進することになるだろう」と話した。

李・ホンソク記者

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